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万博の怪人(3)

ミョクミョクとの決戦の朝、博覧会の会場にあるにゅうめんの屋台で、にゅうめんマンは三輪さんと一緒にミョクミョクが来るのを待っていた。まだ開場時間前なので来場者はいない。あたりには、ぽつぽつ関係者の姿があるだけだ。


「私、この間ミョクミョクに会ったときに思ったんです」

 三輪さんは言った。

「何をですか」

「ミョクミョクって姿が不気味でみんな恐がってますけど」

「はい」

「よく見れば、騒ぎ立てるほど恐くもないし、ある種の愛嬌(あいきょう)があるような」

「そうかな……」


ミョクミョクに愛嬌があるかどうかは疑問だが、まあ三輪さんが言うならそうなんだろう、とにゅうめんマンは思った。


「ところで怪我はもういいんですか」

「はい。完全に治りました」

「それはよかった。これでどんな戦いにも負けませんね」


* * *


待ち合わせ時間の直前にミョクミョクは1人で姿を現した。にゅうめんマンが屋台前の広場の中央へ出てそれを迎えると、ミョクミョクは朝日にきらめくチャンピオンベルトを腰から外してそっと地面に置いた。


「準備はできている。どこからでもかかって来るがいい」

 ミョクミョクは言った。


「よし!」

 にゅうめんマンは、一撃で相手を倒してやろうという勢いで激しくミョクミョクに殴りかかった。敵と戦うときはほとんどいつも手加減をしているが、ミョクミョクに限ってその気遣いは不要だ。


ミョクミョクは電光石火の身のこなしでそれをかわし、にゅうめんマンの胴に反撃のジャブを刺した。


「やるじゃないか」

 にゅうめんマンは言った。とはいえ軽い攻撃だし大したことはない。勝負はこれからだ。


にゅうめんマンは気をとり直して2発目のパンチを打ち込んだ。だが、またしてもかわされてしまった。のそのそ歩きそうな外見に反してミョクミョクは本当に動きが速い。こんなにすばやい敵がこれまで何人いただろうか。


「とおっ!」

 かけ声とともにミョクミョクは相手の頭を狙ってハイキックを放った。しかし、今回はにゅうめんマンが敵の攻撃をかわした。


だが、キックを1発よけたくらいは何にもならない。攻撃を外した後、ミョクミョクは目にも止まらぬスピードで連続パンチを繰り出した。にゅうめんマンはそのパンチのほとんどをブロックしたが、無数に繰り出される拳をさばき切れず、1、2発の打撃をもらってしまった。

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