中央アジア戦隊スタンネーションズ(7)
魔獣がいなくなると、全滅した中央アジア戦隊とキルギスの館長は直に立ち直った。キルギスの館長は戦隊の4人に言った。
「俺が間違っていたよ。お前たちみたいな侠気あふれるやつらをダサいだなんて、俺の目は腐っていたにちがいない」
「分かってくれればいいんだ」
「俺も、中央アジア戦隊スタンネーションズの仲間に入れてくれないか……俺の国の名前はキルギスに改名したが、今でも英語ではキルギスタンの通称で通ってるんだ。『スタン』を捨てたわけじゃないさ」
キルギスの館長は照れくさそうに言った。
中央アジア戦隊の4人は熱狂的に歓迎した。
「いいとも!」
「これでお前もスタンネーションズの一員だ!」
「5人で一緒ににゅうめんマンを倒そう!」
「待たんかい」
にゅうめんマンは異議を差しはさんだ。
「俺が魔獣をやっつけてお前たちを助けたんじゃないか!さっきすでに全滅したし勝負はついてるだろ。なんで今さら5人で俺に敵対するんだ」
「別に助けてくれと頼んだわけじゃないしな。さっき全滅したのも、お前にやられたわけじゃないからノーカンだ」
「自分の技で全滅するなんて、敵にやられるよりもっと恥ずかしいだろ」
「それはものの見方によるんじゃないかな」
「くっ。屁理屈を言いおって」
それから、5人に増えた中央アジア戦隊スタンネーションズは、にゅうめんマンの抗議を無視して再び先ほどの魔法を使い始めた。
「今度は5人だから失敗しないぞ」
だが、次なる魔物が呼び出される前に、にゅうめんマンは5人のうち1人を攻撃して魔法を阻止した。中央アジア戦隊は怒って抗議した。
「魔法の途中で攻撃するなんて汚いぞ!最後まで待つのが暗黙のルールだろ」
「そんなルールはない」
その後も5人は魔法を使おうとしたが、その度ににゅうめんマンの攻撃を受け、ついにあきらめて、
「覚えてろ!」
「お前のかあちゃん外反母趾~」
などと言いながら、攻撃していたパビリオンの裏の方へ逃げ出した。
《かなりしつこかったのに、やけにあっさり逃げたな……》
にゅうめんマンは敵の行動がしっくりこなかったので、5人が逃げた方へ様子を見に行った。すると、いくらか離れた所で、5人が例の魔法を使っているのを見つけた。——にゅうめんマンはまんまとだまされたのだ。
「ちくしょう。あいつら」
にゅうめんマンは魔法を阻止しようとしたが、今回は間に合わなかった。5人が作った魔方陣の中央には、さっきの魔獣よりは小さく、人に近い体型をした怪物の姿がすでに浮かび上がっている。
怪物の頭部には、顔面をとり巻くようにして数珠状にたくさんの目玉がついていた。そして、のっぺりした胴体には、なぜか燦然と輝くチャンピオンベルトを巻いている。




