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中央アジア戦隊スタンネーションズ(6)

魔獣を呼び出した4人も、それがにゅうめんマンではなくキルギスの館長を攻撃したことに困惑した。


「やはり、こんな魔法に頼るべきではなかったのかもしれない」

「この召喚魔法は本来5人用だからな。こんな凶暴で制御のきかない魔獣が出て来るなんて、やはり4人で使うには無理があったのだ……」


自分では何を呼び出すか決められないらしい。そんな魔法を使うなよと、にゅうめんマンは思った。


この間も、魔獣はギルギスの館長を強くしめつけ続けた。館長は脂汗をかいてぐったりし、見るからに苦しそうだ。さすがにまずいと思ったのか、タジキスタンの館長が魔獣に殴りかかった。


「怪物め!キルギスの館長を放せ」


だが、思い切り殴りつけたもののまるで効き目がない。館長は続けて攻撃したが、魔獣はしっぽを振るって館長の頭を激しく打ち、逆に相手を殴り倒した。タジキスタンの館長は、地面にぶつけた頭から血を流して力なく横たわった。


「やりやがったな!」


ウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタンの館長もそれぞれ魔獣に飛びかかったが、やはり歯が立たず、何度も魔獣の反撃を受けて、あっという間に打ち身や切り傷でぼろぼろになった。


不意に、それを見ていたキルギスの館長が苦しそうな声を発した。

「散々お前たちをバカにした俺をなぜ助ける」


するとウズベキスタンの館長が答えた。

「お前は嫌なやつだが、それでも中央アジアの仲間だ。ときに仲違いすることはあっても、俺たちはみんな、母なる大地を共有する兄弟じゃないか」

「ウズベキスタンの館長……」


その直後、ウズベキスタンの館長は一際激しい魔獣の攻撃を受けて昏倒(こんとう)した。


「すまない。俺みたいなやつのために」

 キルギスの館長の目から一筋の熱い涙がこぼれた。


《ていうか、自分たちが呼び出した魔獣なんだから被害者を助けるのは当然なのでは?》

 とにゅうめんマンは思ったが、空気を読んで黙っていた。


結局、中央アジア戦隊は魔獣にやられて全滅した。キルギスの館長の命が危ないので、にゅうめんマンはとりあえず助けることにした。


にゅうめんマンは、助走をつけて、得意技のドロップキックを魔獣の頭に打ち込んだ。さらに、ブーツをはいた両足が魔獣の鼻面をとらえ、この怪物がひるんだところで、上手に地面に降り立ち、すかさず次の攻撃を同じ頭へたたき込んだ。鉄の拳から繰り出す強力なアッパーカットだ。魔獣はかすれた声を上げ、しめつけていた体をゆるめてキルギスの館長を解放し、戦いにあきて家へ帰った。

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