中央アジア戦隊スタンネーションズ(3)
抜群に足が速いにゅうめんマンは、広大な会場を縦横無尽に走り回って追手3人を大きく引き離し、やがて完全に追跡を振り切ることに成功した。何の考えもなく走り回っていたわけではなくて、一応の作戦があった。
追跡を振り切ったことを確認すると、にゅうめんマンは、なるべく目立たないようにして、元の場所へ戻った。そこでは、さっきにゅうめんマンが打ち倒したトルクメニスタンの館長が起き上がって手持無沙汰そうに待っていた。館長はかなり離れた所からにゅうめんマンの姿に気づき、1人では勝ち目がないで逃げ出そうとした。だが、にゅうめんマンは逃がすまいとして全速力で館長の方へ駆け出した。
にゅうめんマンが悪魔じみたスピードで突進して来るのを見てトルクメニスタンの館長は度肝を抜かれ、全力で逃走を試みたものの、さっき体当たりをくらったばかりで調子もよくなく、あっという間に追いつかれてしまった。にゅうめんマンは獲物を狩るライオンのようにトルクメニスタンの館長に飛びついて地に組み伏せ、手刀を打ち込んで大人しくさせ、ポケットからすばやく縄を取り出して手足をしばりにかかった。後は、この男をどこかに閉じ込めるなり誰かに引き渡すなりすれば、敵のうち1人は始末できるというわけだ。
ところが、追手の3人もすぐにその場所へ戻って来たので、両手を後ろ手にしばることはできたものの、足をしばる時間はなかった。にゅうめんマンは手負いのトルクメニスタン館長を抱えて、複数の追手たちに背後をとられないよう、パビリオンの壁際へ逃げた。
それから、にゅうめんマンは、トルクメニスタンの館長を背側から拘束しつつ自分の真正面に立たせ、首筋に手刀をつきつけて、迫り来る3人、ウズベキスタンとカザフスタンとタジキスタンの館長に向かってどなった。
「それ以上俺に近づくとこいつの命はないぞ!」
「なんだと!?」
敵の3人は、にゅうめんマンから10mくらい離れた位置で立ち止まり、仲間を人質にとられたことに動揺した。
「人質をとるとは汚いぞ!恥を知れ!」
「1対4で戦ってるんだ。これくらいは許されるさ」
ところが、カザフスタンの館長はにゅうめんマンの命令を無視して前進する素振りを見せた。にゅうめんマンは見せしめのため、デコピンの要領で、トルクメニスタンの館長のこめかみを指で弾いた。
「ぐあああ!」
トルクメニスタンの館長は苦痛の叫びを上げた。にゅうめんマンのデコピンはとても痛いのだ。カザフスタンの館長はそれを見て前進するのをあきらめた。




