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8話 バーウェア防空作戦


 それなりに飛ばして南の海岸線までやってきた。遠くにはバーウェアからは視認できない三つ子島のウインタしまが見える。


 ウインタ島は環境保全の関係で灯台がある程度で島全体が立ち入り禁止区域になっているが、夏と冬の一定期間だけ入島が許可される島として人気である。

 昔は夏だけだったが、冬島ウインターとうなのに冬に入島できないとかこれ如何に。という声があり、特別に冬も良い事になったという歴史がある。


 三つ子島という事でバーウェアに近い方の島がスプリとう、スプリ島とウインタ島の中間にあるのがサマとうである。

 スプリ島は首都バーウェアを一望できる絶好の観光地として大変人気であるが、一方のサマ島は小さく、暗礁の関係で付近を渡航する船もあんまりない。そもそもこの世界では空飛べるのであんまり船は使わない。

 しかし軍の小規模な索敵基地がある。という話である。

 なんでもルーシャー島だけでは首都の守りが危ういとの事で、索敵基地だけでも置こうという話が昔にあってそれ以来置かれているとの事である。


 その恩恵を今私達は受けている。


 魔法モニターが映しているのはこの近隣の地図と友軍と、そして敵である。


 <確認できるだけで20隻以上の爆撃船を確認した>

 <これ程の爆撃船がバーウェアを爆撃するというの!? これでは焼け野原になってしまう!>

 シャロディさんとゴトウィンがそのような事を言いあう。


 爆撃船。

 基本的に飛行船と同じ構造であるが、爆撃用に船底を開くと攻撃用の魔法水晶があり、そこからヘル系統やペンタ級の魔法をぶっ放す。というものだ。

 イメージとしてはB-29のような巨大な飛行機の底に機関砲や大砲が一杯付いているようなものかな?

 それに飛行船はガレー船とは言ったけど、魔法金属との合金でできている船で、櫂で漕いでいる訳ではなく、浮遊用のブースターで空を飛んでいる。という感じ。


 絵にしたら大体こんな感じだろうか?


 挿絵(By みてみん)

 うーん。絵が下手で申し訳ない。

 

 まぁとりあえず、20隻以上の中型船がモニターでは確認されている。

 あと数十人規模の護衛の魔導士も。


 彼らは丁度サマ島上空を通過している状況である。


 このままいけば、本当に首都のバーウェアは焼け野原になってしまう。


 <こちらスフィアゼロ隊。バーウェア防空司令部。聞こえますか>

 私は防空司令部へ通信をいれる。


 ≪ああ、スフィアゼロ隊か。こちらでも貴隊の終結を確認した。こっちも防空隊が上がったが、状況は芳しくない。市民達の避難がまだ終わっていない。混乱が広がって対空部隊の展開がまだ十分でない。今爆撃されれば一溜りもない状態だ≫


 バーウェア防空司令部がそう良い声で伝える。


 <了解、しかしこちらも練度はあまり高くありません。損耗も控えるようにと第3司令部から厳命されています>

 <いや、大丈夫だ。俺達はやれる、なに足が遅くて武装も少ない爆撃船相手ならやれるさ>

 私の通信に、エルヴァンが割って入る。


 ≪君は誰だ?≫

 <俺、いや、自分はスフィアゼロ隊副隊長。エルヴァン。エルヴァン・マルサス・ロングハーストであります>

 エルヴァンは珍しく敬語を使っている。

 ≪マルサス・ロングハースト……まさか少将の? だが今はそれどころではない。これより迎撃作戦を発動する。いいな?≫

 <了解>

 <了解>

 私とエルヴァンはほぼ同時に承服する。


 ≪よし、スフィアゼロ隊は南下して爆撃隊と護衛隊を西進する防空隊と共に挟撃せよ。この爆撃船がバーウェア市内へ一隻でも入れば被害は計り知れないものとなる。なんとしてでも阻止せよ≫


 <スフィアゼロ隊了解。作戦を開始します>


 そんな訳で首都防空作戦が開始された。



 つづく。

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― 新着の感想 ―
[一言] 色々な作品ごとに出てくる飛行船の個性の違いって見てて楽しいです。
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