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5話 スフィアゼロ


 さて。


 戦闘用箒には、巡航形態と戦闘形態がある。


 巡行形態は文字通り移動用の形態で、民生品と同じ状態。

 戦闘形態は、文字通り戦闘の形態で、箒の両サイドに魔法水晶が出て浮かぶ状態になる。

 この魔法水晶は1mから50cmぐらいある。

 これが箒に収納されていて、真下がパカッて開いて出てくる。

 そもそも、箒という物そのものが、メカニカルというか(有り体に言えば)バイクのような形状をしている。

 バイクというか、なんというか、ダライ〇スとか〇ラディウ〇とかそういうシューティングゲームに出てくる戦闘機にまたがってるような感じだったり、桃色球体イブクロ ブラックホール空中エアのライドな機体とか、なんかそういうのを足して2で割ったような形状というか、まぁ大体そんな感じ。

 

 そして、両脇の魔法水晶から攻撃の際に魔法が出る。火の魔法、ヘル・ファイアランスである。

 なんとも強そうな名前の魔法だが、実際強い。


 500年前はこれが最上級魔法だった。今は上級魔法に格下げなんだけどさ。

 箒に搭載されているコアの出力が向上して、下級中級魔法程度では全く傷をつける事ができない程に強力な魔法障壁を展開できるようになった為に、最上級魔法のヘル系統の魔法じゃないと破れないからだ。しかも魔法の発展によりこの最上級魔法も上級魔法に格下げされる始末。

 でも、そんな上級魔法を、ランス状にして飛ばす。ある程度の追尾機能もあるし、圧倒的によく飛ぶ!つまり強い!!!


 それはさながら地球世界の空対空ミサイルのような!!!!!!

 しかも対地攻撃もある程度できる!!!!


 ちなみにこちらの世界でいう機銃に相当する魔法もある。

 こちらはハイ・サンダーアロー。サンダー系は攻撃力が高いのでハイ(中級)でも魔法障壁を敗れるという寸法である。


 いやぁ、でもこれ500年前の基準からみるとめっちゃ怖い。


 え、ヘル系やらハイ系魔法をバカスカ撃つとか正気……? そこまでしないと駄目なの……? 未来の戦争って……? え、怖っ……。戦争反対……。ってレベル。


 ちなみに今は初級・中級・上級・特級の4段階で、初級が無印、中級がハイ。上級がヘル。特級がペンタ。ってなってる。あ、いや、5段階だっけ? まぁいいや使わないし。



 まぁそんな訳で、初めての空中での戦闘はどうにか生き残った。撃破数は20くらいかな?


 何人か動きがいい敵がいたけど、基本的に2級戦線の腕の人が多かったみたいで良かった。

 数人を倒したら発狂しだした様子で、え、この程度で戦線崩壊? これじゃ地球世界じゃ定時退社間際に仕事を押し付けられただけで士気が崩壊しそうだよ!?


 それにしても先生2人とオネスト隊3人とグレイス隊2人がやられてしまった。

 オネスト隊が3人。つまりシャロディさんとゴトウィンさんを残して全滅してしまった。

 グレイス隊も隊長と副隊長もやられてしまった。


 うーん、初撃で先生と精鋭部隊をやるとは敵ながらお見事。さてこれからどうしたらいいんだろう……。

 定時退社でできないだけで士気が崩壊しそうな連中なのに中々やる。と評価せざるを得ない。

 

 あとエルヴァンが中々強かった。私は手当たり次第に襲ってたけど、エルヴァンは冷静に状況を見て追われてる生徒たちを助けたりと手際が良かった。


 <どうにか生き残れたな。リーナ>

 <ありがとう。エルヴァン。皆を助けてくれて。私は夢中で敵を倒すのに専念しすぎてた>

 <全く……こっちの身にもなれってんだ>

 <やーごめんごめん>

 <ふん……こっちの気もしらねぇで……>


 なんかエルヴァンがやけに冷たいような気がする。


 <こちら第3方面軍航空魔法隊 白樺ホワイトパーチ隊。学院生隊は無事か!?>


 そうこうしていると、第3方面軍の部隊がやってきた。どうやら皆は無事に逃げられたようだった。


 <はい、どうにか大丈夫でした。でも先生が……>


 正規部隊に状況を説明する。


 <なるほど。君たちは僚隊員の不調で遅れて来た時に襲撃に……なるほどわかった。それで君らの隊の名前は?>

 説明をしながら本部へ向かう道中、ホワイトパーチの人はそう尋ねた。


 <私達は留年リピート……>

 <俺達はスフィアゼロ隊だ>

 <え!?>


 なんかエルヴァンが急に入ってきた!?

 しかもなんか恰好いい!?


 <そうか。スフィアゼロ隊か。了解した。スフィアゼロ隊、原隊への合流を許可する。後は我々に任せてほしい>

 そう言ってホワイトパーチ隊は私達から離れて行った。


 二人残った空。


 <え、エルヴァン? 勝手に名前変えるのは……>

 <いいじゃねぇか。やかましいセンコー達が消えたんだ。恰好いい名前にしようじゃねぇか>

 <う、うん。まぁいいけど……もし怒られたらエルヴァンが勝手に変えましたって言うからね?>

 私がそう顔を曇らせて言う。


 <フフっ。言うじゃねぇか>

 エルヴァンの笑い声が聞こえる。

 

 <まぁいいだろう。怒られてやるよ>

 そう笑いながらエルヴァンが言う。


 <なんか、今日のエルヴァン。なんか変>

 <そ、そうか? んな事より早く行くぞっ>


 そう言ってエルヴァンが加速を行う。


 <ま、待ってよ!>

 私もそう言って加速を行うのであった。



 その後、私達は無事に第3方面軍本部に到着し、色々あったけど、結局本部の設営部等に配属となった。

 設営部の主な任務、それは……お掃除であった。


 やっぱり学生が戦争なんて無理があったのだ……。


 つづく。

駐屯地内のお掃除は果たして設営部の仕事なのだろうか。何部が相応しいのだろうか。詳しい人教えてください(切実

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