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3話 転生したら大体私のせいでヤバい事になってた件


割とこの未来のメイスト世界気に入ってるのだけど、問題がある。


 さてここで地理と歴史のお勉強。退屈だからって寝ないでね!


 メイスト世界には大陸が3つある。中央大陸と東大陸と南西大陸。


 中央大陸にあった北部樹海地域にあったファーナー祝福帝国はこの100年で特に目覚ましい発展を遂げていた。

 500年前、ファーナー帝国はリヒテン王国であったが、300年前にファーナー祝福帝国に改名し北部樹海地域諸国を統一しだした。


 その後、ギリドニア帝国の崩壊もあって南部へ進出したり、西のオフラス王国とかち合ったりしていたけど、100年前に中央大陸東部の強豪モズグワ公国の継承問題に介入し、モズグワないし大陸東部を併呑し、西のオフラス、南のバルバー、そして東のプロターゴと群雄を割拠する。


 ええと、話ついて来れてる?


 500年前まではリヒテン王国があったんだけど、それが300年前にファーナー帝国に改名して、次々に侵略と拡大をしていって、100年前にさらに強力になっちゃった。って話。


 地図書いておくね。昔の地図と今の地図。

挿絵(By みてみん)

 これが昔の地図、大体500年前の地図だね。緑の円が北部樹海地域。北部じゃない樹海地域もあるけど、今は使わないから省いてる。


 ちなみに私が住んでいた国はジエノバ侯国ね。


 これが

挿絵(By みてみん)

 500年経過して、こうなる訳。

 色々あり過ぎて、なんか地球の標準では無理がありそうな体制の国とかあるけど、気にしない。もう異世界って事で楽しもうじゃない? というか私から見れば地球の方が異世界だし。


 ちなみに今私のいる国はプロターゴ東合衆王国。

 いやぁ。確かに東大陸で栄えてるってのは聞いてたけど、殆ど東大陸を統治しているとは思わなかったよ!

 昔と同じように色々な種族の人達が色々住んでて大変居心地がいい。居住性も良い。水が普通に飲める。ご飯が美味しい。良い!

 やっぱり移住すればよかったかなぁ。でも遠かったからなぁ……。



 さて。

 で、なにが問題かというと、このファーナー祝福帝国というのがエルフ至上主義をもっていてね。この100年でますます強く激しくなっちゃって……。

 しかもこのファーナー帝国、どうもグードリエルを神聖視する宗教団体『ファーナー派グードリエル教』が母体なのよね。

 ほら、私グードリエル時代はエルフじゃん? それでエルフ凄いみたいな風潮ができちゃったみたい。

 うん。つまりグードリエル死後200年後ぐらいで、グードリエルを崇める宗教団体ができて、リヒテン王国を乗っ取っちゃった。それでファーナー祝福帝国になって、周辺国を侵略しだしたって事。


 うん、まさか大体私のせいで大変な事になってたって事。



 で、さらに大変な事があってね。


 今かの国は絶賛侵略中って事。

 きっかけは去年、ファーナー帝国がジエノバ教国(一応私が住んでた国って事で、穏健派にして正統派のグードリエル教の本山になってた)へ侵攻してバルバー諸侯同盟王国と戦争になって、オフラスとも戦争になって、そして今年に入って我が国のプロターゴにも宣戦布告して現在に至る。


挿絵(By みてみん)

 うん、何を言ってるかわからないけど、とにかくこれが現実。

 詳しい事はわかんないけど、なんかいきなり強襲されて主力部隊が半壊して体勢立て直せないまま北部を取られちゃったみたい。


 話によれば、我がプロターゴは表現の自由を盾に彼らの信仰の柱であるグードリエルを冒涜している創作を認可しているから、というのが宣戦布告理由らしい。


 ……確かに。

 グードリエルのエッチな本が出回ってると知ったのはちょっとショックだった。


 私ゴブリンになんか負けてないよ!? あとドラゴンは他種族と生殖行為しないよ!? そもそも魔物相手だと妊娠しないよ!?? でもやけに生殖器の造形がリアルだね!? どの図鑑使ってるの!?


 うーん。これはあれだね。地球世界のゲームのアーサー王さん等の英雄さん達に、軍艦の皆さんに刀のイケメンさん達が通った道だね。うん。

 まさか創作で男になってる奴すらあるのを読んだ時は『これが信長さんも通った道かぁ……』とすべてを許せる極地に至ったよ……。ちなみに内容は大変よかったです。ありがとうございます。



 まぁ私といえば呑気に国最大の魔法学院で肩こりをほぐす魔法とか研究したり、地球であったけどこの世界ではまだない便利な物を魔法で再現するのを研究してたりして、肝心の学業のテストや勉強をあんまりしてないせいで留年しそうだったんだけどね……。

 いやー。授業中やテスト中起きてれば真面目にやって100点取れるんだけど、寝てたら0点だよね。やっぱり。

 2年生にもなって名前書き忘れて100点なのに0点とか初めて見たよ。


 そんな訳で私は留年の危機に陥っていた。

 

 絶望していた私に学院長は告げる。


 『戦時緊急事態宣言により、学生は臨時義勇軍として編制される事となった』


 そう、学院設立時から続く決まりごとに、戦時になり、かつ緊急事態宣言がなされた場合、魔法学院の生徒たちは臨時義勇軍となる決まり事があったのだ。

 そういえばそういう決まり事あったね。入学時の書類にもそう書かれてた。そして入学手続きをしてしまった以上、これを受け入れねばならない。

 こんな事にならないように皆も契約書に名前を書く時は書類をよく読んでおこうね!


 さて、そんな訳で私は学業成績低めな方々と同じ部隊になっちった。素行不良なワイルドな方々と一緒で虐められないか心配。

 部隊名も誰が呼んだか留年部隊。うう、早く頭角を現して部隊名をメビウスとかカッコイイのにしたい。


 「ふう」


 学生寮の一室でため息をつく私。


 とりあえず、私が、私の持っている記憶を大体記入した。


 正直、こんなものを見せた処で精神病院送りがいい所だろう。


 いや、そもそも私の所属が留年部隊というのが『つまりそういう事』なのだろうか。


 恐らくはそうなんだろう。何故なら素行不良な面々の中に交じっても虐められない処か敬語すら使われる始末だからだ。


 ……私は本当にグードリエルだったのだろうか?


 現世においての魔力検査の数値は0261。

 200から500が常人の魔力数。

 1000以上でなんらかの専門職の人間。2000以上ともなれば軍人でも早々いない。という話である。

 そして私の魔力数は0261、かろうじて常人と言った処である。飛行能力はグードリエルの記憶で大体感覚でやっているだけ。


 私がエルフであるグードリエルではなく、人間であるリーナだからなのだろうか。この流れる魔力も、単なる錯覚なのだろうか。


 ともかく、今のリーナはかつてのグードリエルではない。非力なリーナである。



 ……ところで、何故私の数値だけ頭に0が付くんだろう? 皆は付いていないらしい。

 これがわからない。先生に聞いても分からないという。


 仕方がないので、今日はもう寝よう。明日はついに味方基地への移動である。


 この味方基地は首都防衛の為の最後の要。ここを攻略されれば最早我がプロターゴには後がない。


 いや、学徒出陣をしだしている我が国はとっくに後がないのだと思う。


 「とりあえずもう寝よう」


 考えても仕方ない。寝よう。おやすみなさい。ぐー……


 つづく。

なにやらシリアスな話になりそうですが、安心してください。これはなろう作品です。

9/28 リーナの種族をドワーフから人間に変更しました。

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