21話 鐘の音が天に満ちる時、シリウスは地に堕ちる。
ハンプールの鐘の鐘が鳴る。
その鐘の音を結婚式に聞けば、その二人は幸せになる。
よくある話。
街の中心にある噴水に愛を誓えば結ばれるとか、どこそこのお店のケーキを一緒に食べた恋人は結ばれるとか、ハンプールじゃよくある話。
私だって、そういうの興味ない訳じゃないよ。
こう見えて前世も前々世も、一人身だったから。
だからこそ、皆の幸せや結婚を守りたいなって思うし、それを壊すような連中は、私が許さない!
ましてや、今まで一緒だったクヴァ―ラ隊の皆を吹き飛ばすなんて!!!
許さない!!!
≪相手はシリウス隊だ!スフィアゼロ隊!交戦は……≫
<01はやる気だ!交戦を許可してくれ!01ならやれる!!>
エルヴァンはそう叫んで司令部の許可を取りつけてくれる。
<スフィアゼロ02!お前は何をいってるか分かってるのか!>
<クロウ01!びびってんじゃねぇ!!リーナならやれるさ!だろ!リーナ!>
クロウさんとエルヴァンはそう言いあう。
<うん、私なら勝てる!!>
確かこの人、バーウェアの時に邪魔してきた人だった筈。
それなら勝てる。負ける訳にもいかない!
<聞いただろ!01なら勝てる!皆スフィアゼロ01を援護しろ!周りの連中を抑えるんだ!!>
≪仕方ない。スフィアゼロ隊、交戦を許可!なんとしてでもシリウス隊を食い止めるんだ!≫
エルヴァンの指示に、司令部も観念したように許可を下し、指示を飛ばす。
<司令部!? 相手はシリウス隊なんだぞ!?>
≪ああ、だがこちらもスフィアゼロ隊だ!クロウ隊もスフィアゼロを援護するんだ!≫
<ちっ。了解した!可能な限り援護をするっ>
クロウさんも不服な様子だけど、それでも援護任務を了解してくれた。
かくして敵のエース部隊のシリウス隊と戦う事になる。
敵の隊長とやりあったけど、中々動きが速くて攻撃が当たらない。
<もらったぜ!!>
エルヴァンがそう叫んで、シリウス隊の隊員の一人を墜としてから、状況が変わった。
シリウス隊の隊長さんの動きが確かに鈍くなった。
チャンス!
私は即座にファイアランスを叩き込み、爆発。
≪命中!やったか!?≫
司令部がそう叫ぶ。ちょっと司令部、そういうのやめてよ!
だけど、隊長さんはみるみると高度を下げて地面へ墜落した。撃破したのだ!!
<スフィアゼロ01がシリウスを撃破したぞ!やりやがったなおい!!!>
エルヴァンは嬉しそうに言う。
<あのシリウス隊の隊長を!流石リーナだ!>
<やったわね!リーナ!>
ゴトウィンとシャロディさんも喜ぶ。
≪他のシリウス隊が退却していくぞ!我々の勝ちだ!!≫
その司令部の宣言に、全てのプロターゴ軍の通信チャンネルに歓喜の声が木霊するのが分かる。
≪よくやったぞスフィアゼロ!!あのままシリウス隊をほおっておいたら総崩れになっていた可能性もあった!!本当によくやってくれた!≫
司令部がめちゃくちゃ褒めてくれる。
<おい、司令部、俺が最初にシリウス隊の一人を墜としたんだぜ>
≪そうだったな。ナイスだったぞスフィアゼロ02。本当に皆よくやってくれた。ケーキをおごらせてくれ≫
エルヴァンがしゃしゃり出たかと思ったらまさかのケーキ驕ってくれるとか凄く嬉しい!!
<……こちらクヴァ―ラ隊。我々からもケーキを贈らせてくれ>
なんと!シリウス隊に真っ先に爆破されたと思われてたクヴァ―ラ隊の人達が生きていた!
≪クヴァ―ラ隊、無事だったのか!?≫
<ああ、どうにかな。スフィアゼロのお嬢ちゃんがいなかったら文字通り壊滅してたが、どうにか生きている。助かったよ。感謝する>
<やったああ!!>
地上のクヴァ―ラ隊も、スフィアゼロ隊の皆も、プロターゴの皆も、ハンプール市も、皆無事でよかった!!
本当によかったと思う!!
でも、その歓喜は割とすぐ絶望に変わる。
「ふえええ……もう食べられないよぉぉ……」
「馬鹿野郎、一度に全部食べようとするなよ馬鹿かおめぇは」
「皆の力なら行けると思ったんだもん……」
「流石に一度にこの量は…げふ」
「仲間の力にも限度はあるわね……」
ケーキって軽いと思ったら割と重いんだね……
スフィアゼロ隊、まさかの全滅である。
でもハンプール解放できてよかった!
つづく。
これで戦局は変わる(確信)




