14話 プロターゴの意地
<こちらクロウ01!A陣地上空!敵が多すぎる!とてもじゃないがC陣地にはいけないぞ!!>
クロウ01と名乗るプロターゴの航空魔導士が叫ぶように状況を説明する。
≪こちら第3方面軍司令部。今学院部隊が基地上空の敵攻撃隊を撃退した。C陣地には学院部隊が向かう。クロウ隊はオウル隊、スワロウ隊と共にA陣地上空で地上支援を続けろ≫
司令部はクロウ01に指示を飛ばす。
<学院部隊が? ヤキが回ったか? 司令部。ひよっこ以下のガキどもにそんな事できる訳ないだろ!!>
クロウ01は怒鳴り散らす。
≪クロウ01。聞かなかった事にする。既に学院部隊は基地上空の敵攻撃隊を撃退している。やけに動きがいい≫
司令部の言葉に、クロウ01は楽観主義ここに極まり。と言葉がよぎる。
<そんなのまぐれだ!!大規模攻勢でついに頭がイかれたか!? 学院部隊のガキどもは戦力にならねぇ!>
当然さらの激怒するクロウ01。
≪帰って来たら覚悟するように。幸運を祈る≫
<ああ!!俺も楽しみだよ!!>
そう怒りながら通信を終了するクロウ01。
<クロウ01、冷静になれ>
<スワロウ01。司令部はもう駄目だ。学院部隊のガキどもをアテにしてやがる>
<だがさっきの通信では基地上空の制空を回復させたそうじゃないか>
<んなもんただのまぐれだろ!!お前までおかしくなるか!?>
<確かに学院部隊をアテにするのは軍としてあるまじき行為だがな。この状況じゃあ……>
そう言ってスワロウ01は地上の敵ゴーレムを撃破する。
<アテにするしかないだろう>
<ああ、俺の部隊も全滅してるからな……くそっ帝国め!何が神の冒涜だ!ふざけやがって!>
そう言ってクロウ01も敵ゴーレムに向けてファイアランスを放ち、撃破する。
<こちらA陣地!敵の法撃が激しい!どうにかならないか!?>
地上部隊からの通信が入る。
<無理だ!敵の対空攻撃も激しい!ハチの巣になるぞ!!>
クロウ01はそう叫ぶ。
<くそっ!そうなるとこの陣地を破棄せざるを得ないぞ!!>
<こちらスワロウ01。どうにか敵ゴーレム隊を撃破する。そちらも持たしてくれ>
スワロウ01がそう申し訳なさそうに言う。
<持ちそうもないからこうやって支援要請してるんだぞ!>
<確かにそりゃそうだ……くそっどうすりゃいい>
もっともだ。とつぶやき、クロウ01は苦い顔をする。
今度と言う今度は駄目かも知れない。そういった絶望感がのしかかろうとした瞬間、朗報が入る。
<こちらC地点、前方の敵ゴーレム隊の全滅につき、そちらへの支援攻撃を行う。よろしいかな?>
C地点の隊長の声が通信に入る。
<スワロウ01。C地点、今支援を行うと言ったのか? 撤退合流するではなく、か?>
<敵ゴーレム隊の全滅につき? 全滅させられた。ではなく、だと!?>
二人はほぼ同時に言う。
<ああ、C陣地の危機は低下している。次々に敵ゴーレム隊が撃破されていったんだ>
<学院部隊がやったのか!?>
C陣地隊長の言葉にクロウ01はそう驚愕する。
<なんでもいいから支援してくれ!>
<了解した。長話申し訳ない>
長話を聞いてる暇はないと叫ぶA陣地の隊長の懇願により、そうC陣地の隊長は申し訳なさそうに通信を切って、それからしばらくの間が流れ、C陣地からの法撃がA陣地の敵を吹き飛ばしていく。
<なにがどうなってる? 学院部隊が活躍しているだと?>
<どうやらそうらしいな>
二人はそう言いながら攻撃を続ける。
<最近のガキは殺しの才能でもあるのか?>
<しらん。だが敵の法撃も弱まっている。ひょっとしたら既に後方の法撃部隊への攻撃がなされているのか?>
二人は言いあうも、答えはでない。
<ちょっと待ってください。敵後方の法撃部隊が味方部隊により攻撃されてます!>
そういってオウル01が上空で指を指す。
<オウル01。よそ見をするな>
<いや、本当に二人ぐらいが突出して潰し回っていて、その後ろに大規模部隊が付いて回ってます>
<はぁ!? なんだそりゃ!?>
そう言って二人はオウル01と共に、敵勢力下の離れた丘に布陣しているであろう法撃部隊を見る。
確かに、一人が突出して丘の上を攻撃し、その後ろに一人が周りを警戒し、その後ろに大勢の部隊が付いて回り、突撃役が撃ち漏らしたであろう戦力を潰している……であろう光景を、横から見る形で見える。
<確かに……彼らの姿は学院のローブではあるな……>
スワロウ01がそう呆気に取られた様子で言う。
<あんな戦い方じゃあ、いつか破たんして痛い目見るぞ>
だがクロウ01はあくまで認めない態度で言う。
<おい、この空域にいる連中。今学院部隊が敵後方を襲ってる。恥ずかしくないのか!お前ら!!>
クロウ01はプロターゴ全軍に繋がる通信でそう大声で語る。
<行くぞお前ら!!!ガキばっかりに稼がせてるんじゃねぇ!!プロターゴの大人の意地見せろ馬鹿野郎!!!>
それはまるで自分も含めての激励だったのだろうか。
その後、彼等と、レーナ率いる学院部隊の活躍により、帝国軍の大規模攻勢は失敗に終わり、後退一方であったプロターゴに久しぶりの勝利となったのであった。
それは確かな転換点であった。
つづく。
リーナ達の動きは、右回りでMAPをぐるりと回る感じで動いてます。
そしてスフィアゼロ隊のメンバー編制というか、キャラ設定をミスってクロウ01さんがレギュラーメンバー化しそうです。




