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報告85 ハイトーンサプリメントの作り方

北沢先生からの警告


作中で取り上げられているサプリメントは、法律の範囲内で作ることは出来ますが、安全は保障しきれません。また、含有成分も実際に市販されているものとも若干異なります。作って服用しても自己責任です。

【1】


 次の日の放課後、いつもならすぐに音楽室に向かい、練習をするのだが、この日は理科室に居た。水上は、私に尋ねた。


「で?何で理科室に居るのよ?」


「言っただろ、ドーピングを作るって。心配するなちゃんと許可は取ってある。もっとも厳密には、ただのサプリメントだけどな。」


「いや!どうやって許可取ったのよ!!?」


「見たいって言うからさ。」



「おや?水上さんも来たの?」


理科準備室の扉から出てきた長沼が言った。彼は、実験器具を両腕に抱えてテーブルに置いた。


「長沼先生!」


「水上さんこんにちは。北沢くんが、歌が上達する薬を作るって言うからね。ちょっと見てみたいと思ったんだ。」


「材料は、インターネットやスーパーで簡単に手に入るからな。さて…サプリメントを作るとしよう。」



【高音が出せるサプリメントの作り方】

 危険なので真似しないでね!似たものがインターネットや雑貨屋などで購入できます。


北沢

まずは、リンゴ酸を水に溶かしてリンゴ酸水溶液を作る。


水上

リンゴ酸?


北沢

リンゴに含まれる酸っぱい成分だ。リンゴジュースから分離させて取り出す事が出来る。今回は、インターネットで粉末状のものが売られてたからそれを購入した。ちなみにリンゴ酸が無ければ、無水マレイン酸を水和させてもいいぞ。


長沼

無水マレイン酸?なんだか知らない物質だけど大丈夫?


北沢

大学受験でもよく出題されるのですが…。まあ、いいや。次に、リンゴ酸水溶液にマグネシウムリボンを入れて溶かす。これで、リンゴ酸マグネシウムの完成だ。


水上

これには、どんな効果があるの?


北沢

ああ。筋肉疲労の回復、それから神経伝達の補助らしい。要するにノドを動かしやすくなるんだな。(ま、あんまり信じていないが)

後は、これを固めるぞ、そのためにこいつを混ぜる。


水上

これは何?


北沢

難消化性デキストリンだ、業務用の食品店に行くと売ってる事が多いな。これだけだと飲みにくいから、ミントの香料も入れておこう。さて、これをパンの生地くらいの硬さになるように練り込む。後は、錠剤の形にすれば完成だ。


水上

長沼先生!デキストリンって何?


長沼

ふぇ!?え…えっと…。


北沢

(こいつ…化学が専門ではないとは言え大丈夫か?)

水上、デンプンは消化すると何になるか覚えてるか?


水上

えーっと…。えっとね…。先生助けて。


北沢

おい!!!!


長沼

デンプンは、ブドウ糖に分解されるんだよ。


水上

そうだそれ!!ブドウ糖!!


北沢

そう、ブドウ糖だな。デンプンは、ブドウ糖が数百個から数万個連結したものを言うんだ。デキストリンも同じブドウ糖から出来ているが、十数個のブドウ糖が連結したものだな。短いデンプンとでも思っておけばいい。


長沼

北沢くん…化学に詳しすぎない?


北沢

もっとも、この手のサプリメントは、どこにでも売ってるから特に作る必要は無いぞ。


水上

だったら何で作ったのよ…。


北沢

という事で、クエン酸とマグネシウムを反応させたクエン酸マグネシウムもダメ押しで入れておこう。これで、クエン酸回路をぶん回して代謝を促進できる…知らんけど。


水上

うわうわ、また訳の分からないものが出てきた。


長沼

クエン酸回路って高校の生物で勉強するやつだよね!?何で知ってるの!?


北沢

よし、ともかくこれで完成だ。味は酷いだろうけどね。さて、水上。練習に戻るぞ。



【2】


 それから数日間、私と水上の特訓は続いた。私も、だいぶ出せる音域の広さが改善されてきた。ここ最近は、水上の伴奏に合わせて実際に歌う練習を繰り返し続けていた。そしてその練習が終わると、私は約束通り水上に数学を教えていた。


「はい、この計算問題、この行までは合ってるから、後は考えてみて。」


「あー!もう、計算問題ばっかり!!!こんなんで、受験間に合うの!!?」


「何言ってんだ?間に合わせるんだよ!予定通りに進まなかったら宿題増やすからな!!」


「オニ!!!私、数学苦手なのに!!」


「そうだな、確かに苦手だな。でも、俺だって音楽苦手だからな。…でも、努力次第で得意にはならなくても、普通にはなれる。そうなる様子は、一緒に見てきただろ?」


「そりゃそうだけど…。」


「これからは、水上の数学に時間を充てるか。俺の方は、人並みに歌えるようにはなったし。それにそろそろ準備しないとな。」


「準備…?」



「…流石に2回連続で、大塚にテストで負けるわけにはいかないからな。」






いつも、最後まで読んでいただきありがとうございます。

感想がありましたらお待ちしております。ブックマーク、レビュー等頂けましたら嬉しいです。よろしくお願いします。

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