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報告47 メダルゲームの必勝法

【1】


 ある平日の午後、私は公園に来ていた。ある生徒と約束をしていたからだ。


「よっ、約束通り来たぞ。」


私が声をかけたのは大崎だった。今、学校では三者面談を行なっている。三者面談期間中は、午前授業になるのだ。私は、この期間を利用して、大崎に会いに行く約束をしていた。


「今日は、案内したい所があるんだ。」


大崎は私に言った。私は、警戒しつつも彼について行く事にした。


 彼が私に案内した場所は、ゲームセンターだった。彼は、建物に入ると機械にカードを入れ、画面の操作した。操作が終わると、取り出し口から大量のメダルが飛び出してきた。彼は、そのメダルを私に少し分けて言った。


「今日はいつものメンバーとここで遊ぶ約束してるんだ。夕方までにメダル増やさないといけなくてさ。メダルゲームやったことある?」


私は言った。


「久しぶりにやるから、自信ないがまあいいだろう。」


私たちは、しばらくの間メダルゲームに興じることとなった。それから、1時間くらいだろうか。大崎が私が、メダルのスロットゲームをしているときに声をかけてきた。


「え…なんか凄い増えてない?」


「ん?まぁ、ちょっと運が良かったかな。」


「一体どうやったんだよ!?」


大崎は驚いているようだった。私は、大崎にメダルゲームのカラクリを伝えた。


「まず、スロット台には、当たりが出やすい設定とそうではない設定が6段階で設定されるんだ。他の客がやってる所を見て、たぶんこの台が出やすい設定なのが分かった。それから…。」


私は、自分のスマホの画面を大崎に見せた。


「ここに書いてあるのは、リール配列ってやつで、このグルグル回ってるやつの絵柄の配列を表したものだ。これを見ながら止めるタイミングを考えるんだ。」


大崎は唖然として私に聞いた。


「え?お前、本当に優等生なんだよな?詳しすぎない?そして、メダルゲーム上手くない?」


「勉強も遊びも作戦立てて実行するのが、好きなだけだよ。」


 私たちは、さらに2時間メダルゲームに没頭していた。私は、その後も調子が良かったのか、メダルをドル箱いっぱいになるまで増やし続けた。メダルゲームも高校生以来だったが、今も昔もあまり変わらないものだな。さてと、そろそろ夕方だ。私はドル箱を持って大崎に言った。


「はいよ、今日の稼ぎだ。」


「え!?嘘!?多くね!!?達人じゃん!!」


「そろそろ時間だから、俺はこれで帰るよ。それでさ、大崎くん。」


「なんだよ?」


「暇な時は、いつでもウチの塾に来ていいよ。」


「は?行かねーよ!」


「もし来たらメダルの稼ぎかた、教えようかな…。」


「なんで、俺を塾に通わせようとするんだよ?」


「君、実は勉強かなりできるでしょ。大塚さんから聞いたよ。それに、本当は勉強したいんじゃないの?」


「そんなわけ無いだろ。」


「まあ、いいや。別に勉強しに来なくてもいいんだよ。冷房の効いた事務室でこっそりスマホゲームしようぜ。正直そろそろ公園で過ごすのキツくてさ。」


「なんだ。それが目的かよ。考えとくよ。」


「いい返事を待ってるよ。」


私は、彼にそう言い残してゲームセンターを後にした。



【2】


 ゲームセンターを出てすぐ、私のスマートフォンが鳴った。どうやら学校から電話が来ている。私は、スマートフォンをタップして通話を開始した。


「もしもし、北沢です。」


「北沢さん。お疲れ様です。飛田です。」


電話の相手は飛田だった。一体何の用だろう。飛田は続けて言った。


「もしかして、大崎くんと会ってましたか?」


「ええ。一緒に遊んでいました。そろそろ、勉強に取り組めるように仕掛けるつもりです。」


「実はね、大崎くんと君が接触していることが、北野先生にバレたんだ。」


「……あ〜。なんか面倒臭そうですね。北野先生、怒ってます。」


「うん!イライラしてるよ。それに、北沢さんと私が学校で話しているのもよく思っていないみたい。クラスの子に口を出さないで下さい!!って怒られちゃったよ。」


「それは、大変でしたね…。」


「ともかく、彼女は今、君に敵対心を持ってるみたい。三者面談のときは気をつけてね。わかばスクールの事もよく思っていないみたいですし。報告は、したよ。出来るだけ北沢さんに、とばっちりが行かないようにフォローはするけれど、身構えといて下さい。」


「承知しました。わざわざ、ご連絡ありがとうございます。失礼します。」



    ……………面倒くさいな〜もう!



【3】


 次の日、この日も三者面談期間中だったため、午前授業だった。生徒にとっては嬉しい期間に違いない。4時間目の授業が終わり、私は上野や水上、大塚と談笑していた。上野が私の席の近くで叫んだ。


「はぁー。国語の最後の板書写すのキツかったわー。でも今日はこれでおしまいだ!!遊べるー!!」


上野が言った。それを聞いて水上が言い返す。


「いや、受験勉強しなきゃでしょ!スクールに呼ばれてるんでしょ?」


「そうだったー!!部活引退してからマジでしんどいなー!!」


気づけば、私はこの三人とよく過ごすようになっていた。これが、友達というやつだろうか。不思議なものだ。そう思いながら、カバンを整理していると、一冊のノートが床に落ちた。


「北沢、ノート落ちたぞ…ってなんだこのノート?」


上野は、私のノートの中身を見て驚いているようだ。


「え?どんなノートなの?見せてもらってもいいかな?」


大塚が言った。やはり、そう言った事には関心があるようだ。別に大したものでは無いのだが…。まあいいだろう。


「別に構わないが、たぶん参考にならないぞ。」


そう言って私はノートを開いて見せた。




いつも、最後まで読んでいただきありがとうございます。

感想がありましたらお待ちしております。ブックマーク、レビュー等頂けましたら嬉しいです。よろしくお願いします。

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