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報告38 上野との面談記録:IB認定校の特徴

北沢先生の用語解説


自校作問題とは

都立高校では、一般受験について、どの学校でも同じ問題を解くことになりますが、一部の都立高校で例外があります。例えば、進学指導重点校などでは、英語、数学、国語の問題を独自に作成している場合があり、それらを自校作問題と言います。自校作問題は、通常の問題に比べて難易度が高く設定されています。

「それじゃ上野。面談を始めるぞ。まず、北野先生の三者面談の前に絶対にやっておかなければならない事を言っておく。」


「え?なんだよ?やらなきゃいけない事って。」


「それは、家の人と進路の相談をして、三者面談で答える内容をすり合わせることだ。」


「なんだよそれ。確かに相談はするかも知れないけどさ。自分の進路だぞ。すり合わせるってなんだよ?」


「これが怠ると、進路が決定した後にトラブルになることがあるんだ。高校を中退する人っているだろ?それの主な原因は、人間関係もそうだが、高校生活に対して意欲が持てない事も含まれるんだ。それを防ぐには、きちんと相談をした上で面談をする事が大切なんだ。他にも、保護者が望んでいる学校に入学したけど、自分は全くその学校に行く気が無くて結局やめちゃうとかな。ありがちな話だ。」


「そうだよな。でもさ、その、高校生活に意欲持てないやつって、親に相談しても関係無いんじゃ無いのか?」


「いや、身内にきちんと相談するという行為を行う事自体が大事なんだ。相談をするためには、嫌でも、自分がやりたい事、将来の事、今、何をしなければならないのかを考えなくてはならないだろ?そして、それを人に話す事で、自分自身を見つめ直して、自分の将来に関心が持てるんだ。」


「なるほどな。なんとなく分かった気がする。ちゃんと相談してみるよ。」


「それで、上野。お前は、卒業後の進路をどうしたいんだ?」


「ああ。もう決めてる。英語をもっと勉強したい。」


「ほう。それはどうしてだ?」


「英語大嫌いだったけどさ。北沢に教えてもらってから英語、出来るようになったし数学も確かに得意だけど、英語をもっと勉強したいって思ったんだ。なんなら、海外行きたいまである。」


「そうか…。それで、行きたい学校は決まったのか?」


「それが、まだ決まってないんだよな。英語に特化した学校に行きたいとは、考えてるんだけど。」


「そしたら私立の方が英語特化の学校は多いだろうな。学校によっては長期の留学プログラムを組んでいる学校もあるしな。上野はI Bアイビー認定校って知ってるか?」


「アイビー?なんだそれ?」


「正式には、国際バカロレア認定校って呼ばれるものだ。高校の認定校だと、DPディプロマプログラムを取り入れていて、このプログラムで卒業すると、一部の海外大学の入学試験が優遇されるんだ。もちろん国内の大学でも優遇される場合があるぞ。」


「そんなのあるのか!?」


「ああ。俺もそこまで詳しく無いが、とても刺激的な生活を遅れると思うぞ。ただし、授業の会話が英語になったり、課題が多かったりと、精神的な負担は大きいから、それも含めて楽しむくらいの気概は必要だけどな。」


「それ、入学した後、ついて行けなさそう…。」


「何言ってんだよ。ついて行く力がなければ入試落ちるだけだから。」


「そうか、それもそうだな。ちょっと調べてみようかな。」


「じゃ、一応デメリットも教えておく。それも踏まえて、判断をしてくれ。IBに認定されていない学校でも、英語に特化してる学校はいくらでもあるからな。

 さて、デメリットとしてあげられるのは、次の点だな。


 ・精神的な負担が大きい

 ・認定校の数が少ない

 ・学費が高い


 一つ目は、もう話をしたな。2つ目としては、認定校の数、特に高校から入学出来る学校は、東京にも2校しか無い。また、学費が全体的に高いのもネックだな。」


「そ…そんなに少ないんだ。それに、学費か〜。こればっかりは、俺には分からん…。」


「ちなみに、東京の2校のうち、片方は都立だから学費安いぞ。目黒区にあるから近いし。」


「え!?マジで!!」


「ま、偏差値70近いけどな。とは言っても、自校作問題は英語だけだし、他の都立高校と対策はあんまり変わらないから、目指す分にはいいんじゃないか?」


「分かったよ。とりあえず、考えてみるわ。」


「んじゃ、第一志望に向けてどのくらいの内申点が必要なのか計算しておこうか。」


「そう言えば計算した事なかったな、どうやって計算するんだ?」


「5教科(国英数理社)の成績の合計+4教科の成績の合計×2で求められるぞ。この内申は換算内申って呼ばれてるな。この学校に合格するための、換算内申の目安は大体65だな。」


「うぅ…全然足りない。」


「ま、頑張ってみろよ。まずは、成績を取るところからだな。具体的な入試対策は、それが出来てからだ。」



いつも、最後まで読んでいただきありがとうございます。

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