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プロローグ5

一「にょわあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


穴に吸い込まれた俺は、重力がまともに仕事をしない上も下もわからないところを猛スピードで移動させられていた。


世界を移動しているのだろうだが、ジェットコースターに乗って出口の無いトンネルを走らされている感覚に相違無く全く余裕は無い。


?「おまたせー」


こんな状況の筈なのに、緊張感の欠片もない陽気な女の子の声が聞こえる。


何か肩に付いている感覚がありその方向に頑張って視線を移動してみれば、そこには手乗りサイズの女の子が俺の肩に座っていた。


一「なんだこれ!!」


?「これ呼ばわりなんて失礼でしょ。アタシはホンニ様から遣わされたアナタのオペレーター、妖精のピルク・Hっていうからよろしくね」


妖精と言われると確かに手乗りサイズなのもそうだし、妖精らしい蝶々のような羽も背中からも生えてる。


こんな摩訶不思議生物を見て驚かないわけないのだが、余裕も無いし信じられないことが度々起こっているもので中々新鮮な反応ができない。


一「よ、よろしくねピクルスさん」


ピ「ピルク!!変な呼び間違いしないでよね~とりあえず時間無いからさっきのホンニ様の話の続きするね」


急過ぎる場面転換で忘れていたが、まだ話の途中だった。

しかも、これから何をすべきかという大事な話だった。


一「待った、確かに仕事の内容もそうだけど俺がこれからどんな世界に行くのかまずそれを教えてよ!」


だがそれ以上にこれから長く生活を営むであろう環境の方がとても気になる。

なんたって、もうすぐ到着してしまうというのなら尚更に。


ピ「りょうかーい。まず世界の名前は試験番号10422、通称“リベリアス”。」


試験番号なんて意味不明な言葉がいきなり出てきたが、突っ込んでしまえばキリが無さそうだ。

だが“リベリアス”、ようやく名前がわかった。


ピ「この世界の特徴は全ての概念に数値、“レベル”があることなの」


一「レベルって、ゲームとかに出てくるあのレベル?」

世界の根幹に関わる話だが、今いち理解に至らない。

ちなみにジェットコースター状態は未だに続いているが、この状態で話するのにも慣れてきた。


一「それってファンタジー系のゲームやマンガでよくある設定みたいなもんかな?」


ピ「それに近いと思う。ホンニ様もそういうのに影響を受けて作った世界だと思うし」

作っただなんて本当に神様みたいなことしてるんだなと感心しながら、創作に影響を受けるという子供らしさはどうかなとも思った。

確かにあのおっさんらしいといえばそうなのだろう。


一「おっさんすごいんだな…ちなみにレベルって具体的にはどういう感じなの?筋力とか耐久とか敏捷とかにランクとかあるの?」


ピ「もちろんあるよ、まず自分の存在にレベルがあるんだから。他には石の固さ、水の流れの速さ、日光の熱さにさえレベル、数値があるの」


一「へぇ~想像以上に設定の細かい世界っぽいな」


まさに“レベルという概念に支配されている世界”なのかもしれない。

だが、だからこそ俺がいた今までの世界なんかと比べものにならない程にロマンに溢れ、いろんな冒険があるに違いない。


ピ「リベリアスのすごいところは老いることが弱くなることに繋がらないの」


一「ん?どゆこと?」


ピ「人は老いる度に肉体が弱くなっていくでしょ。人に関わらず通常生物全体にいえることだけど、弱ったものは後は命が尽きるの待つだけ。でもリベリアスではレベルがある。それによって肉体は強化され技術はスキルとして魂に刻まれる。年を重ねることはただ命を費やすことじゃなくて、レベルを上げスキルを身に着け生物としての存在の格を高めることに繋がるの。つまりは老いることは生物の終わりにはならない。命尽きるまでは精一杯に生を謳歌できるってわけ」


一「なるほど、なんかちょっと難しいけどなんとなくわかったよ」


リベリアスではレベルの恩恵で老人達もバリバリに働いたり趣味に没頭したり冒険しまっくたりしてるのかもしれないのか。だとすれば、リベリアスでは人の寿命はかなり長くなっているかもしれない。


「なんとなくリベリアスについてはわかったよ。じゃあ、今度は仕事の内容について教えてよ」


「あ、もうそろそろ着くから話の続きは一軸が起きてからね」


「また話の腰を折られるのか!てかちょい待ち!起きてからってなんだ!!?」


嫌な予感がする、というかさっきから嫌な予感しかしてない


「今のあなたは魂だけの状態なの、でリベリアスに合わせて魂ごと肉体を再構築するから一回スリープモードになってもらうわけ」


「全て初耳なんだが!?」


「だってそれ話す時間無かったし、それにそんなに時間とらないことだし大丈夫!」


「何も大丈夫じゃない!!」


抗議を叫んでいたら後ろから強い光を感じた。

振り返るここに入ってくる時に通った黒い穴とは真逆の白い穴が眩い光を放っている。


「ぬわぁっ!!?」


そして俺の意識は露へと消えた。



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