プロローグ①
申し訳ない、この言葉を俺はよく使う。
謝罪は社会を回していくのには必要なことで、それは自分に責が無くても口に出さなくてはいけないのだ。
そこにはプライドや言い訳はいらない、相手の満足のいく謝罪こそが正義。
ただ、すみませんやごめんなさいは心から謝ってる気がして嫌だ。
その点申し訳ないは謝っているのに何だか偉そうで、自分には何らダメージを負っていないような大人の強さを感じる…
……感じるだけなんだが、それでも俺がそう感じるのでこの言葉を使いたがるようになってしまった。そして俺は何かあってもヘラヘラしながら申し訳ないということで色んなものを受け流してきたのだ。
高校の球技大会の野球ではエラーしてサヨナラ負けした時も、中学の修学旅行でホテルの鍵を無くした時も、小学生の頃にうんこを漏らした時も、俺はヘラヘラしながら申し訳ないと言うことで、自分の心の安寧を保ってきた。
この前バイトをクビにされた時や大学で留年が決まった時でさえだ。
今思えば、なんて甘い考えだったんだろうか…
そんなクソな俺、雲肥一軸の結末、それは…
「目が覚めた?」
目の前に金色に光る中年の小太りのおっさんがいた。
不定期連載になります、お許し下さい