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幼なじみは《いつも》俺を監視している 

観音開きの扉を開けた先は繰り返し同じ世界があった。

俺は確かに公道へ出る扉を開けたはずだ。しかし開けた先にあったのは広大な庭園で後ろを振りかえると花見が気配を殺したっていた。


そして。


俺。どうしよう。

花見に実質逃げられないと囁かれ家からは出られないとか・・・花見を甘く見ていた罰なのか。

花見は先ほどの一件で相当警戒しているようだから表だった行動が出来ない。


そして山藤院家にはトイレ・浴室を覗くほぼ全ての場所に監視カメラが置いてあった。多分隠しカメラもあるだろう。


花見は俺の一歩先を歩いているが警戒した空気が出ていた。花見は俺を連れて何処へ行くのだろうか。

なるべくいつも通りの口調で話そう。そう心に決めて。 

花見は鶯張りの廊下を音を殺し損ねるが静かに歩いていく。視線は真っ直ぐ何処かを見つめているようだ。


「花見、何処へ行くんだよ?」


花見はキュッと立ち止まり振り返ってから能面のような顔でこう言った。


「本能の赴くままに」


そして前を向きまた歩き始める。ヒタヒタ、ヒタヒタ。

そしてある所で立ち止まった。そこはどうやら花見の親父の山藤院葛成の自室のようだった。

襖を開けるとそこには葛成以外何もなく様々なパイプやチューブにくるまれて布団に横たわっていた。


「花見。これは・・・」


花見は刹那哀しそうな目線を葛成に向けた。が、その人間的な表情も刹那消えてしまった。


「お父様は数年前から不治の病に掛かられております。しかしこれは山藤院一族の頂点にある者しか知り得ません。今にもお父様はあの世へ旅立ってしまうほど病気が進行しているのです」


確かに葛成はほぼ体内機能を今機械に頼っているが。


「それと俺は何処に関係があるの?」


俺は世界に広がる山藤院グループは今こんな爆弾的事情をかかえているなんて思いもしなかった。


「お父様の跡継ぎは我が山藤院家には一人として居ません。なので婿養子を貰うことを次期当主として決断し、その結果が先ほどの・・・」


「お願いいたします。榎ノ下透様。どうか、どうか!」


「わかった。しかし俺は帝王学は知らないし、会社の経営力もないぞ」


「じいやにお任せします」


「花見もプライドを捨ててここまで来たんだよな?もう大丈夫だ。安心しろ」


すると花見の能面のような顔は今にも泣きそうな赤子に変わり目に涙を貯めていた。


「ありがとうございますっっ!うわあぁああぁあん!」


花見は俺の胸元に来てわんわん泣き初めた。今まで苦労してきたな。そんな思いが胸を包み込む。が・・・。


俺は可能性に気がつかなかった。花見が、、、。

首にプスリっとした感触があった。俺は気づきたくなかった。

首を回転させてみると、病院で扱うような注射器の中には深紅に染まる液体と小さな菖蒲の花が入っていた。  

本能的にそれは命を脅かすヤバいやつか睡眠薬かのどちらかだ。

花見は泣いているが泣いていなかった。

ただ、目から涙を流すだけ。そして顔を嬉しくするだけ。

やはり、花見は能面のような顔に戻り、目に菖蒲の家紋の紋様と、頬に深い血の色でやはり菖蒲の家紋の紋様が浮かんでいた。


「透クン。一生二人ダヨ。運命キョウドウタイダヨォ!」


花見は狂いすぎた笑みを浮かべて俺の顔を、心を除いている。


「はな、み・・・」


意識はそこで途切れた。

1日三本小説はきついけど。がんばった!

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