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10、次に行く場所

かなり短いです。すいません…。


「さて、どこに行けばいいんだ」


 勢い余って老婆の家から飛び出したものの、行くあてがないので朝の色街通りを歩いていた。ここらへんは一本道で、たまに路地がある。流石に朝からお姉様方はいらっしゃらなかった。


「そのために私がいるんですよ!」


 そう言うと、強く主張するように、リコが左腕に抱き付いてきた。これはあれだ。そうちくわみたいだ。超柔らかい。


 確かに名目上はリコが案内人だけど、正直彼女が次に行くべき場所を知っているとはどうしても思えない。


 リコは、誰にも言った事が無い俺の最終目的を知っていたりと、少し不可解な点も見受けられた。


 今はこうやって好意の塊だけど、彼女がいつか俺に牙を立てる可能性もある。でも、そういうことはあまり考えたくない。


「ご主人様?」


 心配するリコの声で、思考の渦から戻ってきた。


「あぁごめん。大丈夫」


「次に何か考え事してたら……。あんなことやこんなことしちゃいますからね」


 頬を赤らめてそんな事を言われた。平常心。あんなことの想像は全力で阻止した。少しだけ二人の間に沈黙が流れ、何故か周りからの視線が痛い。


 そうだ、今のうちに言っておかないといけないことがあった。


「あ、そうだリコ」


「はい」


「その、ご主人様って止めないか?」


「つまり?」


 自分で振った話題ながら、結論を言うのが恥ずかしくなった。


「名前で読んでもらえると、周りの目線が多分マシになるんだよ……」


 そう、さっきからリコがご主人様発言をして俺に抱き付く度に、本当に周りの視線が痛い。興味、嫉妬、憧れ、その他色々な感情がダイレクトに頭に響いてきそうだった。


 美少女にご主人様と呼ばれるあの青年、何奴?


 と、誰もが言葉に出さずして言っているようだった。まだ朝なのでここら辺の人通りが少ないことが唯一の救いだ。


「それは嫌です!」


「え?」


 直ぐに肯定する、と思っていたリコが否定した時は目の前が真っ暗になりかけた。もう周りの視線で刺されたくないんだよ?


 しかも聞かれたので、ざわざわとした話し声が広がっていく。


「おいあの子、ご主人様を止めたくないだと?」


「分かってないな。ご主人様がいいのだよ」


「男の方もかっこいいよね」


「普通にカップルでいいじゃん爆発しろ」


「ちょ、何で魔法発動しかけてるの?」


 色々聞きたくない会話が風にのって聞こえてきた。大体が男性だと思われる。俺の精神に大ダメージ。


 ちなみに魔法を発動していなくても、勝手に風が俺の耳に声を持ってくる。常時発動魔法だ。


 というか俺たちのせいで、この場の雰囲気がめっちゃ悪くなってきた。


「……リコ、ちょっと捕まってろ」


 一旦ご主人様云々は放置しておいて、ここからの脱出を試みようとリコに声をかけた。


「はいっ♪」


 今までもしっかりと抱き付いていたけど、もっとぎゅっとされた。ふぅ、平常心。ちくわちくわ。おいしいよねちくわ。……もうちくわだけじゃ誤魔化せなくなってきた。バリエーション増やそうかな。


 それはいいとして、走り去ろう。


「よし、行くぞ。(連れ去れ、疾風よ)“疾走”」


 今回はリコも一緒だけど、難なく発動できた。ちなみに今回の疾風は、リコを吹き飛ばすような形で俺という風が吹き抜けた、という感じだ。


 色街通りを抜けると、人も少なくなり、建物が簡素なものになった。もう街の外れまで来たのだろうか。後少し進んでしまえば、城下町から出れそうだ。


「は、速いよぉ」


「あ、ごめん」


 魔法を解除し、左腕にくっついて離れないリコの顔を覗き込む。少し本気で走りすぎたかもしれない。しかしそのリコの顔は緩みきっていた。


「……(色々と)大丈夫か?」


「全然平気ですよ!」


 あれ、矛盾してないか?


「まぁいいか」


 気にしてもしょうがない気がした。


「ご主人様、次はどうしますか?」


 美少女ナビゲーターのリコがこんな事を聞く、という事はこの先俺が行くべき場所にはいくつか選択肢があるのだろうか。


「ちなみに、人助け、魔法教授、最短、などなどがあります」


 などって。そこが一番気になるから。


「まぁ、私ってのもありますけど……」


 全力スルーしようそうしよう。


 まぁ一番最後は放置として、人助けは仲間フラグか。リコでお腹一杯だ。魔法教授、とはこの世界基準の魔法を教わる、ということだろう。別に魔法面問題ないしいいや。


 じゃあ最短が残るのみとなるわけだが、これは俺の目標に辿り着くための最短ルート、と取っていいんだと思う。つまり魔王を殴るために必要なルートだ。他の選択肢は……あまり選びたくなかったのでこれにするべきだろう。


「じゃあ最短で」


 簡潔に告げると、リコは眉間に皺を寄せた。


「……うーん、私が言っといてなんなんですけど、すごい最短ですよ?」


「いや、とりあえずどこに行くのかだけ」


 それなら、とリコは俺としっかり目を合わせた。


 そして、爆弾発言。



「行くべきは、魔王の根城です」



「……はい?」


 ちょっと待って、今ラスボスの名前聞こえたよ?


「だから言ったじゃないですかぁ! 最短だってぇ」


 ちょっと拗ねられた。


「そこまで最短だと思ってなかったわ」


 結構内心では驚いている。リコが現れてしまったもんだから、もう少しぐだぐだしそうな予感がしていたので余計だった。


 でも、召喚されたその日の内に魔王を倒した、なんていう傍迷惑な勇者もいるんだ、ここに。


「それで、魔王倒しに行っちゃうんですか?」


 まぁそういうことになるか。魔王の根城に観光に行くなんてバカはいない。


 だから、その問いに対する答えは決まっている。そう示されたのなら、行こうじゃないか。



「もち、ぶん殴る」




前半は砂糖とガムシロップが多かったですね。甘い(*´-`)

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