雪焼け
白くて綺麗な雪が降ったよ、と子どもが言いました。
ですから、私は急いで子どもの目を塞ぎ、窓を閉めたのです。
私は見ました。白くて、綺麗な雪を。子どもの言った通りの雪を。
私は言いました。そんなに雪を見つめてはいけないと。
子どもは文句を言いました。どうして。あんなに綺麗なのに。
私は言いました。だから見つめてはいけないのです、と。
雪というのは白いものです。それは雲の白さが映ったものです。
その白さとは太陽の熱い光です。とても綺麗に見えますから、私たちはたびたびそれを見つめてしまいます。でもだめなのです。人の目にそれは毒なのです。
白い光が私たちの丸い目を焼いてしまって、しまいには私たちの目には何も映らなくしてしまうのです。白さ、というものは私たちにとって不相応なものなのですよ。
じゃあ、神様って白いの? と子どもが言いました。
どうして? と私に聞きました。
だって、空を見ても眩しくって見えないから。
そうですね。そうですね。そうかもしれませんね。
私はまた子どもの目を覆い、そのまま抱きしめました。
もう外の景色を見なくてもいいように。
もしかしたら、神様が目を焼いてしまったからなのかもしれませんね。