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後ろを見れば

作者: 藁火 望

夏はホラーですよね!

というわけで身近なホラーをどうぞ。

お風呂に入る前にでもお読み下さい。



「お風呂とか入っていると、何か後ろから視線を感じることってあるよな」



 彼は自分の髪を洗いながら誰もいないはずのシャワールームで一人呟く。



「あれって自意識過剰って分かっていてもやっぱり気になってしまうものなんだよな」



 明かりのついてない空間に彼の声は響く。



「ホラーだと、気になって後ろを向いてみても誰もいない。安心し気を抜いて前を向くと、天井から逆さに顔があったりとかな」



 誰に話す訳でもない。ただ彼の声は暗闇に溶ける。



「そういうホラーものが印象に残るから、ありもしない気配を感じるのか。ほら、怖い話を聞いた日の夜にトイレに行けなくなる人なんかもそうなんじゃないかな」



 身体を洗いながら彼は独り言を止めない。独り言、と言っていいものかは分からないが。



「ならホラーが怖くない、非現実的なことを信じない人はそういう気配を感じないのかね? まぁ、俺はそういうのが怖いし分からないんだけど」



 彼は後ろを振り返る。目の前には鏡があり、そこには何も写っていなかった。



「かといって、そういう気配が錯覚なのか本物なのかは分からないだろうけどな」



 シャワールームから出ると玄関から扉の開く音が聞こえ、女性の声が聞こえてくる。




 彼は不気味に笑いながら、最後に呟く。




「ほら、後ろを見れば——











 ——俺みたいな霊がいるかもしれないだろ」



 部屋の明かりがついたとき、女性以外はそこに何もいなかった。

どうでしたでしょうか?

怖いとは少し違うかもしれません。

ただ、こういったことはよく体験すると思います。


読んで頂きありがとうございました!


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― 新着の感想 ―
[一言] オチが良く出来ていてニヤッとしてしまいました。 文章も読みやすく、簡単に読めるのも良かったです!
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