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第二話 VS 巨大芋虫

「ふぁぁ~……ん?」

 ここどこだ? 見た感じ森だけど……始まりの広場は? 完璧ここ街じゃないよね? とりあえずマップの確認だ。えーっと、迷いの森? ここって序盤に来ても平気な所なのかな……敵とか湧かないよ……ねっ!?

 周囲を確認してると何かが近づいてくる気配に気づく。よーく目を凝らしてみるとそこには虫がいた。

 虫? あれを虫と表していいものか! なんだあれ!? 高さは3メートルくらい、長さは8~10メートル位ある芋虫……名前は〈キングビートル〉表記されている名前の文字の色が真っ赤てことは完璧レベルが段違いで高いですよ。

 始まって早々死に戻りかぁ……まぁこれで街に戻れるのならいいかな~……いや、ダメだろ普通。後で運営に報告だな。

 「んん!?」

 急に背中にひんやりする感覚が伝う。どうやらキングビートルにターゲットをとられたらしい。

 巨大芋虫がローリングしながらこっちに来る。……めっさ怖えぇ! 無理無理!こんなん避けれない! ってぶつかる!?


 ―――暗転―――


 目を開けるとそこには始まりの広場―――ではなく依然としてたくさんの大木があった。そして後ろから迫りくる気配。

 

 ”いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!”


 まじかよ! 場所変わってないよ! もしかしてバグでリスポーン地点が森の中に設定されてる感じですか!? もう嫌だ! ここは漢らしく戦略的撤退に限る!


 3・2・1……ダッシュ! 


 走る俺。走る俺。コケる俺。食われる俺……食われた!?


 ―――暗転―――


 「あいつって人間食うんだな……草食じゃないのかよ……見た目虫なのに……っと、芋虫野郎は?」

 どうやらさっき走ったおかげでリスポーン地点と巨大芋虫の間が空いたようだ。 一旦落ち着いて考えよう。まずあいつから逃げることは不可能だ。明らかにあいつの方が速い。おそらくここら辺はあいつの縄張り、どこへ行っても逃げ切ることはできないだろう。なら残された手段は一つしかない。

 俺はアイテムボックスを開いて中身を確認する。

 

 初心者の槍

 ATK+5 耐久度 0/0


 「あったあった」

 この初心者武器はキャラクター編成時に武器系のスキルカードを選択していると最初からアイテムボックスに支給される。俺の場合は『槍Lv1』のスキルカードを選択してたから初心者の槍だ。

 防具は……っと、初心者の革鎧があった。

 この二つを装備した。そう、残る選択肢は戦うことだ。

 このままやられっぱなしていうのも気に食わないし、一つ実験してみたいことがある。

 槍と鎧を装備し終えると、タイミングよく背中にひんやりする感覚。後ろを振り向くと50メートルぐらい先にあいつがいた。この距離でもタゲをとられるのか……恐るべし、巨大芋虫……。

 巨大芋虫は一直線に俺の方向に向かってくる。槍を構えて迎撃態勢をとる。とりあえずは様子見をしなくては。

 巨大芋虫は俺から3メートル手前で止まると体を縮こまらせ、伸ばした反動で飛び上がり俺の真上に落ちてくる。

 いやいやいや……まじかよ……そんなん予想つくかよ!?

 想像してほしい。約10メートルもある巨体が真上から落ちてくる恐怖を。あんなの見たら怖さで足がすくんで動けなくなること必須。蛇に睨まれる蛙然り、妹に睨まれる俺然り、別に俺がチキンだから動けなかったわけじゃない。


 ―――暗転―――


 第4回戦。今度はリスポーンした瞬間から戦闘だ。さっきとは距離が違うからなのか大胆な攻撃をしてこない。頭突き、噛みつき、体を振り回す等といった攻撃が主体のようだ。槍を使って攻撃を試みたが、巨大芋虫の頭突きを受けてしまう。


 ―――暗転―――


 一撃か……!? これは遥かにレベルが違うみたいだ。

 第5回戦。段々と相手の動きがわかってくるようになってきた。そしてやっと一撃くらわせることに成功。巨大芋虫のHPは……うん、全く減ってないな。


 ―――暗転―――


 第10回戦。ここまでやっていると相手の攻撃も掠りすらしなくなってきた。実験の成果も表れているようだし……。実験というのは、リスポーンしてもする前に与えていたダメージは回復してるかという実験というより確認に近いものだ。結果は『回復しない』だ。これがもし回復するだったら詰んでいたが、回復はしないようなので希望は持てるようだ。


 ―――暗転―――


 第97回戦。何時間経っただろうか。こいつの顔ももう見飽きたぜ……。巨大芋虫の残りHPは3割程度。いける。イケるぞぉ!

 お前の攻撃はもう通用しない! まるでゴミのよ―――調子に乗ってましたぁ!


 ―――暗転―――


 第102回戦。ようやくだ、ようやくこのときが来た。巨大芋虫の残りHPは1%未満。あるのかないのか際どいラインだ。

 俺は最後の一撃を打ち込む。

 「お前の血は何色だぁぁぁ!!」

 『ぐぎゅるるる!!』

 俺の一撃は巨大芋虫の頭部に突き刺さる。芋虫は頭を振り回すが、少しすると動かなくなる。

 どうやら最初のモンスターとの戦いは俺の勝ちだ! 多少卑怯臭かったかもしれないけど……気にしない! だって漢だもの!

 さてさて、とりあえずドロップ品でも確認しますかな。


 ・王昆虫の希少角

 ・昆虫エキス

 ・王昆虫の柔皮

 特別報酬

 ・歌姫のドレス


 「ん? なんだこれ?」

 歌姫のドレス? なんだこれ? 装備品か……?


 歌姫のドレス

 DEF+15 INT+45 付加能力 魔力+350

 職業『歌姫』専用のインナー装備。その真紅のドレスから溢れ出る気品の高さはすれ違う人々の視線を釘付けにする。この防具はユニークアイテムであり、ユニーク職業『歌姫』の者しか装備できず、また入手することもできない。


 「ん? どういうことだ? 俺の職業は戦士のはずなんだが……」


 ステータスを開いてみる。そこには……


     名前:ヒナ

     性別:女

     職業:歌姫Lv1

 スキルツリー:歌Lv1

        魔力Lv1

        槍Lv15

        空きスキルツリー容量0 

   装備称号:なし

   獲得称号:駆け出し冒険者、王昆虫討伐

   


 

   

 

ちょっとしたバトルです。下手ですね・・・

ステータスの部分をいじりました。


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