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電脳嫌いと電脳少女の電脳探偵  作者: 卓音 逢楽太
眠れない日々の始まり
6/10

依頼4

 疲れた。超疲れた。とても疲れた。とにかく疲れた。

 結果から言うと妹の救出は成功した。だが問題はその後だった。

 犯人グループをすべて気絶させた後、妹を連れて帰ろうしてビルから出た時、唐突に警察に囲まれた。後から聞いた話だがアルが俺が頑張ってる最中にこっそり警察に通報していたらしい。そのあと、警察署に連れて行かれ事情聴取を受けた。簡単な事情聴取ですぐに終わったが、慣れないことをしたうえに事情聴取というガラスのハートの俺には精神的に拷問に近いことをされ、家には妹に支えられながら帰宅した。

 女の子に、しかも年下に支えられないとまともに歩けないほど疲れていた。

 だが、これでこんな突飛な出来事は終わりだ。

 明日は土曜だ。一日中のんびり過ごそう。


「ちょっと、恵琉にぃ起きてよ」

 邪魔が入った。邪魔が入ることは予想していた。しかし、のんびり過ごす優雅な休日を邪魔してきたのは以外にもアルではなく、妹の美也子だった。

「なんだよ、ミャア。俺、昨日の事で疲れてるんだ。寝させてくれ」

「昨日の事で聞きたいことがあるだけど」

 珍しく真剣な表情に俺はどきっとした。

 何か遣らかしてしまっただろうか……

「えっと……なにを聞きたいんだ?」

「昨日、恵琉にぃが助けにきてくれたとき、誰かと話してたでしょ。誰か協力者がいたんじゃないの。それに、普段喧嘩どころか運動すらしない恵琉にぃが大人相手にあんなあっさり勝てるなんておかしい。いったいどんなトリックを使ったの」

 妹の言い草に俺はいらっとした。

 いくら俺が喧嘩も運動もしないからって最初から俺の力じゃないと決めつけるのは、いくら本当に俺の力じゃないとしても少しいらっとする。

 いらっとしたから俺は少し意地を張ってみる

「おまえ、トリックだって決めつけるなよ。俺だってな、がんばれば……」

「なに?がんばれば私より強い大人を一発で倒せるっていうの?じゃあ、私にも勝てるんだぁ、へぇ」

 無駄な意地を張ってしまったせいで余計に立場が悪くなってしまったような気がする。

「え、えっと、それは……まだ準備が……」

 俺が大人たちを倒すことができたのは出来るだけ借りたくなかったがアルの力を借りたからだった。アルがいなければ、俺が妹を助けることはできなかったことだろう。

 だが、バッテリーの充電をすべて使ってしまった今、俺が黒帯所有者の妹に勝てる義理はない。

 そもそも、自分の妹に向かってスタンガンまがいの武器で攻撃してもいいのだろうか。

「なにそれ、いい訳?出来ないんならやっぱトリックじゃない。トリックならどうやったか教えてよ。恵琉にぃが強くなったトリックをさ」

「あの、えっと……それは………」

 チラッと机の上にあるPCに目をやる。

 さっきからPCがスリープモードになったいるところをみると、どうやらアルがPCの中から聞き耳を立てているのだろう。

「ん?何見てたの?あのパソコン。もしかしてあのパソコンになにかあるの?」

 やばい、今あの中には多分アルがいる。もし猫耳尻尾に長すぎる袖の一般的に「萌え」と呼ばれるそれを見られたら妹に俺はなんて思われることだろう。きっと変態だと思われることだろう。

 それだけは絶対に阻止せねばなるまい。

 ベットから這い出しPCの起動ボタンを押そうとしている妹に向かって駆け出す。当然のごとく俺は「やめろ」と叫ぶが、これも当然のごとく妹の指は止まらない。

 妹を止めようと手を伸ばす。だがその時、ガッ、と床に積んであったCDの山に躓いてあと一歩のところでこけてしまう。

 その隙に、妹はPCを起動させる。


 ああ、終わった。俺はもう立ち直れない。だめだ、死んでしまいたい。


 だが、妹の反応は俺が予想していたものと違っていた。

「あれ、なにもないじゃない?」

 妹の言うとおりPCの画面にはアルの姿がなかった。

 よくわからないが、アルがPCの中に居なかったのならそれはそれでよかった。これで俺が変態だと妹からバカにされることはなくなっただろう。

 だが、俺の安泰は


 バンッ、と大きな音をだして勢いよく扉をあける一人の青い少女。

「残念ですね。私はこっちですよ!!」

 突然の出来事に俺は頭が真っ白になる。

「私が、妹さんの言っていたトリックの正体です!!」

「ちょ、おまえ、なにして……!?」

 言って俺は妹とアルの間に割って入る。

「え?なに、その女の子……」

「ミャア、お、おまえは何を言ってるんだ?お、女の子?そんなのが、ど、どこに居るんだい?」

 自分でも見苦しい言い訳だと思うがそれでも止められない。

「そ、そうだ。きっとおまえは幻覚を見ているんだ。うん、きっとそうだ」

「恵琉にぃ、落ち着いてよ。絶対幻覚じゃないって、そこに居るじゃない」

「マスター、どいてください。私のせっかくのカッコイイ登場シーンがぁ。まだ、セリフ残ってるんですよ。も一回やり直します」

 アルはいつもの調子でふざけている。

 PCがスリープモードになっていたのはアルが俺をこうして混乱させて楽しむためだろう。当の本人はまだ満足しているようではなかった。

 このあとどうなるのだろうか。妹に説明しなくてはいけないのだろうか。やっぱり俺の安泰な日常は俺のガラスのハートとともに壊れてしまうのだろうか。


 ああ、もう……どうにでもなれ………


 そう思うと急に眠気が襲ってきた。そう言えば、昨日のせいでひどく疲れていたんだった。瞼が重くなる。もう、これ以上起きていられない。

 いっそのこと眠ってしまおう。その後のことは……まあ、どうにかなるだろう。

 そこで俺の意識は途絶える。

どもです。逢楽太です。


お久しぶりです。約一カ月ぶりの『電脳嫌いと電脳少女の電脳探偵』の投稿です。さすがに一カ月は開けすぎました。受験生が二作品を同時に投稿なんて無謀でした。ああ、もう駄目だ……


さて気を取り直して、世間話でもしましょうか。

いやそうですね、最近はホントに涼しいですね。あんなに暑かった夏が夢のよう、今では扇風機も閉まってしまいました。あ、そうだ涼しいと言えば僕の財布の中も涼しいんですよね……ハ、ハ、ハ………

はあ、悲しくなってきた。いや、最近本だのゲームだの欲しいものがたくさんあっていくらお金があっても足りないんですよ。物欲って恐ろしいですね。一回滝に打たれたほうがいいかもなぁ。


あ、蚊だ! バチン


涼しくなってもまだ蚊はいるんですね。血を吸われる前でよかった。


長くなってしまったのでそろそろお暇を……


これからも、よろしくお願いします。

感想お待ちしています。ノシ

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