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期待しなければ、世界は少しだけ優しくなる ——気づかないまま  作者: しゅんすけ
第2章 誰かの日常の中で

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第5話:表情


レジに立っていると、 顔を見るつもりがなくても、 目に入ってしまうものがある。


声の調子とか、 歩く速さとか、 商品を置くときの手の動きとか。


意識して覚えているわけじゃない。 ただ、毎日見ていると、 少しずつ違いが分かるようになる。


あの人も、その一人だった。


同じ時間に来て、 同じ棚に向かい、 だいたい同じものを買う人。


今日もレジに来た。


「お願いします」


いつもと同じ言葉。 同じ声。


なのに、 なぜか少しだけ印象が違った。


何が違うのかは分からない。


急いでいるわけでもないし、 特別機嫌が良さそうでも

ない。


ただ―― 少し楽そうに見えた。


理由は、思いつかなかった。


疲れていないように見えた、 とも違う。


肩の力が、 ほんの少し抜けているような。


そんな感じだった。


会計を終えて、 商品を渡す。


その人は軽く会釈をして、 いつも通り店を出ていった。


自動ドアが閉まる。


それだけのことなのに、 しばらく視線が入口に残った。


人の表情なんて、 ちゃんと見ているわけじゃない。


変わるものでもないと思っていた。


でも、 さっきの違いは、 気のせいじゃなかった気がする。


理由は分からない。


分からないまま、 次の客の「すみません」が聞こえて、 意識はすぐに戻った。


レジの前には、 いつも通りの日常が続いていた。


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