青春のおわり1
はじめましての方ははじめまして。これは僕が長年温めていた小説で、ゆとり世代より下の世代が読むと意味が変わるという不思議な小説を書きたいと思っていました。基本的にはフィクションですので肩に力を入れず読んでください。そして、ゆとり世代より年齢が下の方はどうか楽しんでいってください。
ある晴れた日のこと。
僕は昼ご飯を食べ終わりアイスクリームを食べていた。ふと、テレビをつけると某アニメーション会社の建物が火事になっていた。僕の青春といえるアニメをいくつも制作してくれたアニメーション会社だ。
一体、誰がこんなことを?
僕は叫びたい気持ちでその中継を眺めていた。気持ちが落ち着かないのでレコードに針を落とし、軽音楽を流した。唯一の救いは軽音楽の紡ぐ旋律が僕の心を音楽の世界へ引き込んでくれたことだ。それでも気持ちは完全には落ち着かず、手元にあった日本酒の澪をロックで飲んだ。
何か気を紛らわせるものはないか。そうだ、買い物に行こう。そこでふと父親に話しかけられた。
「白流、いつものラキスタセットを頼むよ、それと便座カバーも買ってきてくれ」
ラキスタセットというのは、僕の吸う煙草のラッキーストライクと父親の吸うセブンスターのことを指す。それと、便座カバー?どういう組み合わせだなんだ?便座カバーはコンビニに売ってない気がする。
「わかった。それ見てよ父さん。アニメ会社が火事だって」
「ふーん、そりゃあ火事は日本中で日々起きるだろ」
「それでも、この火事はわけが違う!Kアニメーションだぞ!」
「知らないね、そんな会社。はやく煙草買ってこい」
「これだから今時の大人は。わかったよ」