邂逅 〜憧れとの出会い〜 1
ゴールデンウィークも終わって、いつも通りの学校生活が戻ってきた。流歌先輩に声をかけるためにいろんな場所を探してみるけどどこにも見当たらなくて。
そもそも、先輩が2年生なのは知ってるけどどのクラスなのかもわからないし、多分だけど名前を出して探すのも先輩に迷惑がかかっちゃいそうだったから自力で探す事にしてる。
屋上も見てみようと鍵を借りに行ったら、流歌先輩はあの日以降屋上を使ってないって先生に言われてしまった。でも、1番チャンスがあるのは屋上だからとりあえず鍵は借りておく。
「うぅん、攻めてくって決めたのはいいんだけど、先輩が見つからないんじゃどうしようもないよぉ」
屋上に仰向けに寝そべり呻く。こんなことをしていても前には進まないけど、呻く。
少し声を出したら、なんだか無性に歌いたくなってきた。あの日聞いた流歌先輩の歌のせいかな?
そんな私は、流歌先輩を見つけるきっかけになった噂のことなんてすっかり頭に抜けたまんま、屋上で歌を歌う。
正直、私の歌は流歌先輩の足元にも及ばない、と私は思ってて。でも、そんな私でも歌に……声に自分の想いを込めることはできるとも思ってる。だから私は、夢中で歌う。
私が歌ってるのは、第1回スクールアイドルプラネットで天堂未来さんが披露した曲、「スタープラネット」。アイドルらしさからは少し離れた、ハードロック調の曲。でも、ソロでパフォーマンスするには最高の曲でもあるこの曲は、私が落ち込んだ時、悩んでる時にいつも心を奮い立たせてくれた。
そんな思い出を頭に浮かべながら歌い続ける。私の想いが、届くように。
パチパチパチパチ
「え?」
誰もいないはずのこの場所に響く拍手の音。流歌先輩かなと期待してみたけど、あの人は多分そういう性格の人じゃないからありえない。多分月原先生あたりなのかな?なんて思ってドアの方を振り返る。
そこにいたのは、私が知らない女の人だった。でも、とても見覚えがある気がした。
「懐かしい曲歌ってるね、キミ!……いや、天星光莉さん?」
「あ、あなたは?」
「んー?ここで素直に私のこと話してもいいんだけど……それじゃつまんないし?私も今の曲歌うね?スタープラネットを、さ?」
「……え?」
目の前の女の人は、私が反応する間もなく歌い始めた。話し声からなんとなく察してはいたけれど、この歌声でその疑念は確信に変わる。
そう、私の前に現れたのは流歌先輩でも月原先生でもない。私が憧れた、憧れ続けている存在……天堂未来本人だった。
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