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プロローグ 〜憧れは画面の向こう側〜

 あれは、もう8年も前のこと。

 当時の私が、何気なく付けたテレビに映し出されたのは、女の人が歌って踊っている映像だった。

 それはとても圧倒的なパフォーマンスで、その会場にいる人たちはもちろん画面越しに見ていた私の目も釘付けにした。


 【第1回スクールアイドルプラネット……優勝は、その圧倒的なパフォーマンスで全員を釘付けにした今大会唯一のソロ参加、星導学園(せいどうがくえん)2年 天堂 未来(てんどう みく)だぁぁあ!!!!】


 画面から聞こえる大歓声。そして、壇上で優勝旗を掲げて笑みを浮かべる天堂さんの晴れやかな笑みに、私の心はギュッと掴まれてしまった。

 正直に言ってしまうと、あの時の記憶は天堂さんのパフォーマンスのあまりの輝きに、ほかの出場者のことはよく覚えてなかったけれど、あの輝きに私は憧れを抱いた。


 それからの私は、あの日見た舞台に私も立ちたい!!という想いを胸に、勉強も運動も頑張った。

 なぜなら、アイドルには運動能力は絶対に必要だと思ったし、私が目指した星導学園は偏差値がかなり高い学校だったから。

 それでも、あの時の気持ちを持っている私には努力なんて努力だとも思わなかった。


 その結果、得られたのはまさかの星導学園首席合格。すごく嬉しいけれど、私の……天星 光莉(あまほし ひかり)の高校生活はやっとここがスタートライン。

 ここからが、私が憧れたスクールアイドルとしての活動の始まりなんだ!!!!!



 そう思っていたのに……


 「この学校にスクールアイドル部なんてないですよ?」


 「……え?だ、だって、8年前にこの学校の天堂未来さんが第1回スクールアイドルプラネットで優勝したじゃないですか!!」


 「確かに、それは事実ですが……当時の天堂さんはソロで、部活動やクラブ活動としてではなく、純粋な個人として活動していたので、当校にスクールアイドル部というのは存在しなかったんです」


 「そ、そんな……」


 「それでも、2、3年前まではクラブ活動として細々とではありますが活動している子達はいました。ですが、今では当時に憧れた世代もほぼいなくなり、クラブとしても消滅したんですよ」


 「……アイドルするために、あの時の輝きをもう一度見るために、この学校を選んだのに、一生懸命頑張ったのに、だめなのかなぁ」


 入学式を終えたウキウキの私に、担任の先生が告げた残酷な事実に私は露骨に落ち込んでしまう。私の中の光が消えかけようとしてしまっていた。

 それなのに、先生は穏やかに笑みを浮かべている。


 「光莉さん」


 「……なんですか?」


 「貴女に、覚悟があるのなら……スクールアイドルという世界への強い想いがあるのなら、私にもお手伝いをさせてください」


 「え?先生、それってどういう」


 「この学園のクラブ規則として、2人以上の部員と顧問の教師が1人必要なんですよね」


 「は、はぁ……?」


 「入学したての1年生にとっては部員を探すよりも顧問をしてくれる先生を探す方が難しいんです。それもあって諦めていた生徒も見てきました。ただ、その生徒たちにはスクールアイドルへの想いがあまり感じられなかった。だけど、貴女は違う。その目に宿した輝きは当時の未来を思い出すんですよ」


 「先生は未来さんを知っているんですか?」


 「知ってるも何も、未来は私の同級生で小学校からの親友でしたし」


 「えぇぇ!!!?」


 「あの頃の未来を側で見てきたからこそ、生半可な気持ちの生徒は応援できなかった。だけど、貴女ならあの時の輝きに至れる予感がした。だから、貴女が部員を1人でも見つけられたら、私は顧問として貴女の活動を支援しますよ?」


 「本当ですか!!!?」


 「えぇ、ただし」


 「ただし?」


 「貴女と同じように強い想いを持ってる子じゃないと私は認めません。それでも、貴女は挑戦しますか?」


 先生からの提案と同時に、さっきまでとはまるで違う圧を感じる。表情は変わらず穏やかなはずなのに、そこにいる先生はまるで別人のようだった。


 だけど、私の想いは変わらない。


 「もちろんです、先生!!私の輝きを側で見ていてくださいっ!!!!!!!!」


 私の高校生活は、波乱から始まりそうだ。

読んでいただきありがとうございます!


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