五話
「ならお言葉に甘えて」
マリーちゃんは目を瞑り、スゥスゥと寝息を立て始めた。他のみんなも寝ていた。まずい私まで眠くなってきた。これが同調圧力というやつか!?
「……」
ああ意識が遠のいていく。この感覚悪くない。
「……いいえ!寝てません!」
ポンと肩に感触があり、思わず大きな声になってしまった。感触のしたほうを見ると、マリーちゃんがスヤスヤと寝ていた。私はなぜか一安心をしていた。
「しょうがないなー」
こんなかわいい寝顔を見せられたら、膝枕たるものをしたくなるものでしょーが。ということで私は膝枕をした。
「よいしょっと」
私の太ももに彼女の温かさが追加された。なんだろう、この尽くしてあげたいという感情は。これは彼女が醸し出している雰囲気なのか、私の母性というものなのか。
「んー。もっと寝たいよー。こんなに忙しいのは嫌だよー」
ごめんなさい。いそがしくさせてしまって。と私は心の中で思わず誤ってしまった。
「……ん。あれ、先輩の顔が目の前に」
「あれ起きちゃった?」
「……」
マリーちゃんの顔がマスマス赤くなっていく。あらあらかわいい。
「せ、先輩は恥ずかしくないんですか?」
「なんでだろね。全く感じないや」
「まだ朝ご飯まで時間あるから寝といていいよ」
忙しすぎるのは勘弁だけど、こんな風なことがあるのなら悪くないなと思う私だった。