四話
私はチームの皆と一緒に近くのカフェに来ていた。テーブル席について、みんなメニューを選んでいた。
「ここのお店、けっこう良心的な値段設定ですね」
メニュー表を見ると、朝のモーニングセットが450コインとある。1コイン1円であるから、確かに良心的な価格だと思う。けど、安いということはその分量は少ないということもある。
だから、実際に商品を見ないとわからない。
「じゃあ私はこのモーニングセット1で」
「私も同じく」
残りの二人も同じメニューを選んでいた。やっぱり450コインってのに惹かれるよね。
「カフェで朝ごはんって初めてです」
「私も一回だけかな。そのときも徹夜明けだったような気がする……」
「先輩って、前の職場の話を聞いても答えてくれませんよね」
「まぁ、話すこともないし……」
というか話す人の方が少ないと思うんだけど。
それに、私の場合は世界が違うっていうのもあるから、話すことができない。といっても、してる仕事は日本でもこっちでも同じく、経理なんだけどね。いつか話せるときがくるのかな。来たとしても話すかどうかは分からないけど。
「話せるときが来たら、話すよ」
「もー。それ何回も聞きましたよー。それにしても、ここの椅子、座ってると眠くなってきますね」
深い椅子だから、全体重を預けることができる。眠くなるのもわからないでもない。
「料理来るまで寝ててもいいよ。来たら起こしてあげる」
「お願いします」