二話
「五徹はイヤ―――――!!!!」
悲痛な叫び声が会議室に響く。私はこの世界でまだその状態になったことはないけど、この反応を見ると、過去にあったのだろう。私はまだ三徹しか経験したことないけど、五徹かぁ……五徹……。これから五徹を経験することになるのかな……。そうはならなようにしなければ。
悲痛な叫び声は、当然のように他の職員にも伝わった。今、私を含めて四人のチームで動いてるが、残り二人が同じように悪夢を見たかのように飛び起きた。
「……夢?」
「もしかしたら現実になるかもしれないから、早く起きて」
「……なんで龍沢さんが?」
現実を受け入れたくないのか、カエデさんはポカーンとしていた。他の二人も状況把握ができていないのか、二人で不思議そうに顔を見合わせている。
「ほら、早く起きて。もうすぐ他の職員も来るから」
私は会議室を出て、とりあえずみんなの分のコーヒーを作ることにした。ヤカンに水を入れて、コンロに置く。棚から火の魔法石を取り出して、日本で言うところのグリルのところに魔法石を入れる。そうすれば下から炎が出て、水を沸騰させることができる。ただ、魔法石の調節は面倒で、コンロみたいにツマミで火の調節はできない。火ばさみで火力の調整をする。ただ、取り出した後、専用の箱に入れておけば、炭みたいに燃え続けることがない。その点は炭よりも楽だ。あと、煤が出ないところもかな。