66.扉の向こう
カノンが門の兵と話をし、アーゴン公爵に連絡をしてもらう。
すると、驚くべきスピードで返答が来た。
「あなた方を通しても良いと、返答がありました。 ネネモアなる奴隷にも会わせましょうとも仰っておられます」
え、早すぎないか?
アーゴン公爵は奴隷を多く所有している、その全てを把握しているわけもないだろうし......もしや、ネネモアはお気に入りだったとか?
「返答、早いですね」
「ええ、私も驚きました......実際にクロノス家である僕の顔を見せろと言われるかと思っていましたから。 こんな形で許可が降りるとは」
「でも、これでネネモア様に会えますね、レイ」
にこりと笑うリアナ。
「うん、そうだね」
僕は頷き、リアナに笑みを返す。
「私も同行させていただいても?」
カノンが居れば交渉にも有利になるかもしれない。貴族でもなんでも無い僕だけならば難しいだろうけど、彼が居てくれれば可能性が出てくる。
「はい......むしろ居てくれた方が助かります。 おねがいします」
「ありがとうございます。 私も妹の為なので、出来る限りお力添えをさせていただきます」
アーゴン邸の門が開かれた。
◆◇◆◇◆◇
〜数時間前~
「タラゼド隊長、アーゴン邸着きました」
「うん、ありがとう」
馬車を降りる、赤い鎧を纏う聖騎士タラゼド。そしてその部下四人がアーゴン公爵の元を訪れていた。
門番である二人の聖騎士が応じる。
「タラゼド様、お待ちしておりました。 どうぞ」
門が開き、タラゼド達は中へと進む。
「相変わらず広いな、ここは」
アーゴン公爵の豪邸があるこの場所には研究施設がいくつもあり、研究者を集め日々魔術の研究をさせている。
彼らは強力な魔族や魔王軍に対抗するべく、新たな魔法を生み出す研鑽を重ねている。
「無事かな、ニール」
部下の一人ゼルが言った。
「きっと無事ですよ。 ね、隊長」
その隣を歩く女騎士ライムが返す。
「うむ、そうだな......」
数ヶ月前からアーゴン公爵の元に研究員として、うちの部下を潜入させていた。
アーゴン公爵には実のところ魔族との繋がりがあるとの黒い噂が絶えず、以前討伐した魔族一派の話から単なる噂ではないと言うことが判明した。
それ故、研究員として内部から探るよう部下を潜入させていたが、数日前から連絡が途絶え生死不明となっている。
「ニールはルビーに近い実力者だ。 そう簡単にやられはしないだろうが......だからこそ単独での任務を許可したんだからな」
そう、ニールはかなりの力をもつ聖騎士。ともすればその力はルビーとなんら変わらないレベルの。
「研究所、個別にも結界を張っているんですね。 それほど見られたくない研究なんですね」
同じく女聖騎士のベルナがメガネを指で上げ、そう言った。
それに対しこの中で一番体格の良い、聖騎士ガーロムが言う。
「ですねえ、怪しすぎますねえ。 ねえ、タラゼド隊長?」
「まあ、こう言った研究はデリケートだからな。 少しのミスで研究所は疎かここいら全てが吹き飛んだりする大事故になる事もあるらしい......万全は期さなければならないのだろうよ」
「あー、なるほど」
そんな話をしながら歩いていると、遥か前にあったアーゴン邸の扉が近づいて来た。
「......万一、アーゴン公爵と魔族の繋がりがあれば拘束する事になる。 気を引き締めろ」
「隊長、聖騎士が5人もいるんですよ? しかもルビーの隊長だって居る。 余裕ですって」
ぽこん、と頭を小突く。
「バカ者、場をわきまえろよゼル。 力のあるニールが殺られているかもしれないんだぞ、油断するな。 油断は最も死に近い所にある」
「うっす、すみません」
――そしてアーゴン邸の扉が開かれた。
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