60.噂
「えっと......明日、少し付き合って欲しい所があるんだけど良いかな」
「それが、もしかして、レイがこの王都を目指した理由ですか?」
「うん......そう。 明日行こうと思っている場所は奴隷の登録所なんだ。 僕はある奴隷を捜していて、それで王都に来たかった」
「捜している、奴隷......ですか」
「僕の旅の目的はその人に会いに行く事。 それで、もし何か困っていれば助けになれたらとも思っている」
「......なるほど」
ネネモアの話をしよう。
幼かった僕が奴隷商に拐われ、飼われていた頃。赤毛の少女、ネネモアに出会い救われた話を。
「......そうだったんですか、生き別れたネネモアさんを捜して」
「うん。 まあ、奴隷にはよくある話だけどね。 仲の良くなった友達と離ればなれになる......登録所へ行っても、行方は分からないかもしれない......でも僕は出来る事はしておきたいんだ」
そう、分からないかもしれないし、見つからないかもしれない。
奴隷は数多く、消耗品、家畜のように扱われる場合も少なくない。仮に奴隷が死んだとしてもそれを報告しない飼い主や、理由は様々だが、あえて奴隷登録から削除する人もいる。
そんな中でたった一人の人間を見つけ出すなんて、難しいかもしれない......
でも、僕は彼女に会いたい。
何か、出来ることがあるのなら、僕に出来ることがあるなら、してあげたい。
ネネモアとの約束......「私を助けてね」と言われたから。
いや、言われたからではない、僕は大好きだったネネモアを助けたいと思っている。
「レイは、そのお方がとても大切なんですね」
「うん、たくさん......本当にたくさん、彼女には助けてもらったからね」
ふふっ、と微笑む彼女。
「でも、勿論リアナの事も同じくらい大切だよ」
「えっ」
「え?」
な、なんだ?......「えっ」て、何かおかしな事言ったかな?
「ど、どうしたの」
「いえ、なんでも。 そうですか、同じくらい......同じくらい」
同じくらい。僕にとっては、ネネモアもリアナもかけがえのない存在だ。
二人に出会えたことで僕の心は救われているんだから。
いや、違うな!二人じゃない、三人だった......ノルン、ごめん完全に忘れてた。
と言うか、そうだ。いずれリアナをノルンに紹介したいな。ノルンも友達は多い方が良いだろうし、喜ぶだろ。
「今度、さっき話したノルンに紹介するよ」
「ユグドラシルの?」
「うん、きっと仲良くなれる」
「はい、楽しみです」
◇◆◇◆◇◆
「――へっくち!」
「......どうしたの......風邪?」
「え、いや、わし魂だから風邪とかひかんし。 多分」
「......噂されてるのかな......」
「んー、わからん」
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