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42.治癒力とソウゾウ

 


 リアナは目が覚めたのか、宿からでて外にいる僕の元へ駆け寄ってきた。彼女は心配そうに僕に問う。


「......あ、あの......大丈夫でしたか!?」


「リアナ......うん、大丈夫だよ。 ごめんね、混乱している村人の誘導なんて大変な役目を任せてしまって」


「そ、そんなこと無いです、レイ様の方が......すみません、最後までお手伝いできなくて」


「いや、十分だよ。 本当にありがとう、怪我人が一人も出てない......リアナのおかげだよ」


「そ、そんな、事は」


「あるよ。 君はもっと自信をもっていい」


 リアナがうつむいた。あれ、気分を悪くさせたか?しまった......しつこかったかな。




 それから僕らは宿屋へ、店主さんと子供達とのお別れをするために戻った。


「おはようございます」


「あ、旅人様! おはようございます」


 見れば長椅子に横たわり苦しそうなリズ、そしてそれを心配そうに見ているシュウがいた。


「リズ......どうかしたんですか?」


「そ、それが、ワーウルフに捕まれていたときに体を強く握られていたようで、痛い痛いと。 出来ることは行ったのですが......痛みが激しく、うなされていて」


 助け出した時はそんな素振り見せなかったのに。リズ......興奮状態で痛みに気がつかなかったのか?

 どちらにせよ、僕がよく見なかったからだ......ごめん、リズ。


「シュウは? 何ともないかい?」


「ぼくはだいじょうぶ!」と言うシュウの体を観察する。シュウは本当に大丈夫そうだな。


 その時、リズが目を覚ました。


「おに、ちゃ......かえってきたの」


 彼女は辛そうにしながらも、こちらをみてにこりと笑った。


 それに僕も笑みを返す。


「ちょっと診ても良いですか? 」


「え、は、はい......」


 レイは冒険者時代、膨大な量の医学書を読み漁った。白魔導師は人体構造の把握と怪我、病の知識が必須であり、その知識が多いほど治せる幅が広がり優秀な白魔導師とされた。


 その冒険者時代でも、レイのそれは王都の腕の良い白魔導師を凌ぐ程であったが、パーティーメンバーの白魔導師に対する知識不足によりそれを知るものは少ない。


 ......これは、骨にヒビが......筋肉や内臓は傷ついてはいない。


 オーラによる触診を終え、次に治療。


「ヒール」


 淡い光の粒がリズの背のあたりへと収束する。それらは溶けるように吸い込まれ、光がやがてきえた。


「これでよし」


「......あ、あれ? 痛くない」


 目をパチクリするリズ。


「うそ......た、旅人様は白魔導師様だったのですか!?」


「はい。 あ、でも一応あまり動かさないようにしてくださいね。 治した箇所はまだ脆いはずなので」


「あ、ありがとうございます! 魔族から助けていただいた上に娘の怪我まで......なんと御礼をしたら良いか」


「御礼なんていいですよ。 僕、冒険者でもなければ医者でもないので、代金をとったら逆にまずいんですよね、はは......」


「そ、そういう訳にも......! なにかさせてください!」


 お、おさまりそうに......ないな、これは。


「で、では、今度また村へ訪れた時、一泊させていただくというのは......?」


「そ、そんな事でよいのですか?」


「十分過ぎますよ。 良い宿屋なのは身をもって理解してますからね。 ......それまで家族三人で頑張ってください」



「あ、ありがとう、ございます......」


「ありがとう、おにいちゃん」


「ありがと! おにいちゃん」


 三人の笑顔と御礼を背に僕らは宿を後にした。





 ――村を出て少し歩いたところで、リアナが口を開く。


「本当にレイ様のヒールは凄いですね......」


「ん?」


「......一般的なヒールは、自己治癒力を補助し、高めて怪我の治る速度をはやめるものです......なのにレイ様のヒールは時間が巻き戻ったかのように瞬く間に元通りです......王都の大聖女様でもそれほどの治癒力は......」


 ......まあ、それはそうなんだけど。時間が巻き戻る、か。リアナは良い眼を持っている。

 その感想がでると言うことは、彼女には僕のオーラの流れが見えたのか。


「リアナ、僕のヒールは......」


 そう言いかけた時、師匠の言葉を思い出した。


『おまえのそれ、ヒールじゃないぞ。 全く別の性質のものじゃ......それの情報が広まれば、おまえ、国にも魔族にも狙われ続ける事になるかもしれん。 あまり他言はするなよ』


 ......。


「? どうしましたか、レイ様......すみません、気分を害されましたか?」


「いや、違うよ。 ごめん、僕も少し疲れてるみたいだ」


 そう言い僕は口許を指で触れた。


 ――レイは他の白魔導師を知らない。本来、白魔導師へとなるには小さな頃に白魔導師ギルドへ入り、専門の学園へ入学、基礎を学び、実践訓練を経て初めて白魔導師となれる。


 しかし、レイは冒険者パーティーに拾われて、あてがわれた本を読み、独学でヒールを身につけた。それ故に他の回復魔法を知らないレイにとってはこれが普通のヒールだった。


 それ故に、これが普通の回復魔法だと勘違いし、レイは冒険者時代、一度のヒールに莫大なオーラを消費し続けていた。



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