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27.憂うそノ食糧つきル

 



 ......あり得るか?C-レートの魔族なら、聖騎士なら一人でも、容易にとはいかないまでも倒せない相手じゃない。もしかして、これは......。


「ワーウルフには協力者がいる......?」


 僕の出した答えに、アトラは驚き目を見開く。


「鋭いな......その通り奴らは三人いる。 おそらくずっと三人で狩りをしてきたのだろう。 奴らの連携力は凄まじく、最初に奇襲をうけた一人の聖騎士は瞬く間に殺されてしまった。 そこからは圧倒的だった......次々と一対三の状況を作られ、あっというまに皆殺されてしまったよ」


 確かに連携の上手いワーウルフはA+の魔族にも匹敵するとされている。


「そういう訳で、村から助けを呼びに行くことも出来ず、旅人や冒険者が訪れても奴らに襲われてしまい、我々はこの砦の内に長い間閉じ込められている状態なのさ」


「成る程......となれば、食料が尽きるか奴らが諦めるか、もしくは更に助けがくるか、か」


「うむ。 聖騎士三人が消息を絶っているからな、いずれ聖騎士が派遣されるとは思うが、それがいつになるかで我々の運命はきまる......」


「......食料がもう無い?」


「そうだ。 というかワーウルフはそれを狙っているんじゃないかと思う。 一度助けを呼びに村の男が数人出ていったが、翌日、門の前に彼らの頭部が並べられていたという事があった。 ......逃げられないというメッセージなのだろう」


 村人を疲弊させてからまとめて喰う気なのか?ワーウルフは知能が高い魔族だけど、こいつらはより賢いな。


「と、村の状況は理解してもらえたか?」


「ええ、よくない状況だという事は理解しました」


「訪れたばかりでこんな話をしてしまってすまないな。 とりあえず、宿でもとって旅の疲れを少しでも癒してくれ」


「わかりました、いろいろと教えてくださってありがとうございます」


「あ、ありがとう、ございます......」


 そうしてアトラと別れようとした時、二人の小さな男の子と女の子が、ととととっと走ってきた。


「あとらおにいちゃん!」


「おゆうしょくもってきたよ!」


「お、シュウにリズ、ありがとな! おお、今日もまた美味そうだな~!」


 二人はアトラへと弁当を手渡すと、今度は僕とリアナをまじまじと見つめてきた。この二人は、アトラの子か?


「お子さんですか?」


「え......ああ、いやいや、違うよ。 はは」


 アトラは首を横にふる。


「その子たちは村の宿屋の子だ。 俺はこの場所から動けないからな。 食事をこの二人にいつも届けてもらってるって訳なんだよ」


「ああ、成る程、偉いなぁ」


「えらい! にへへ」


「えらーいっ! やたー!」


 二人は満面の笑みで喜んでいる。屈託の無い笑顔が、あの頃の僕らを思い出させる。


 辛く厳しい奴隷時代だったけど、この子らのように二人笑いあった日々が懐かしく重なる。


 ああ、早くまた......彼女の笑顔がみたいな。


「そーだ、シュウ、リズ。 このお兄さんとお姉さんにお前らの宿へ案内してやれ。 久しぶりの客だ、お母さん喜ぶぞ~!」


「ホントにー!?」


「おかあさん、よろこぶの!?」


「ああ、絶対喜ぶはずだ! 二人も泊まるとこ決めてないだろ? この子達のところにしてくれないか? 風呂は広いし、飯は美味い、オススメするぞ!」


「あ、じゃあ案内してもらおうかな。 リアナもそれで良いかな?」


「あ、は、はい、私はレイ様と供にまいります」


「えっと、それじゃあシュウ、リズ、お願いできるかい?」


「「はーい!」」


 シュウとリズの頭を撫でてあげるアトラ。本当の親子のように二人を慈しむ彼はとても優しい表情で、僕のひとつの思いを否定した。


 そんな事を考えていると二人が駆け寄ってきて、僕とリアナは子供らに手を引かれ、宿へと道案内される。




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