20.ろき昇格しに王城ゆく (ロキ 視点) ★
――カツン......カツン。
絵画の飾られた城内。
城の中には限られた人間しか入ることを許されず、こうして受勲式がある時に限り、入城を許可される。
擦り汚れひとつの無い、純白の壁。
ダークレッドのカーペット。
無数にある、角のある白馬の絵。
この別世界のような城の中を見回し、俺はあの日を思い出していた。
『神とはすなわち人。我々、神々が住まうこの地を魔族なぞに汚されてはならない』
『魔王を討て、我々こそが神であり、正義なのだから』
我が国の王がそう言い、勇者を魔界へおくりだしたあの日の事を。
~王都~
ヴァロンド城内、王の間。
片眼に眼帯のかかる、白髭の王は高らかに告げた。
「――次にロキ・ヴィドラドール、パーティー名『グンキノドンワ』 そなたらはAランクダンジョン等を複数攻略し、この国の発展に大きく貢献した。 この証書の授与により、Sランク冒険者パーティーの位を授ける事とする」
王の前に膝まづく四人のパーティーリーダー。各、パーティーのランク昇格が言い渡されたが、Sランクへとあがったのは俺のパーティーのみ。
くく、脇にいる三人の向ける羨望の眼差しが心地よいな。
「はっ、これからも魔王を討つべく戦うこの国の礎となれるよう、励みます」
「うむ、期待しておるぞ。 では、四人共さがれ」
「「「「はっ!」」」」
――Aランクダンジョン2回、任務3回クリア、Bランクはダンジョン4回に任務は5回、Cランクダンジョン8回、任務5回か......やっとSランクへ昇格。長かったな。
けれど、まあ良いさSランクになった今、冒険者ギルドから支給される報酬はあがり、更には国からも金が入るようになった今、資金面での不安や悩みとはもうさよならだ。そして......
王の間をあとにし、廊下を歩いているとむかいから鎧を着こんだ男がこちらへと気がつき話しかけてきた。
「お! ロキじゃねえか! いやあ、すげえな......その歳でSランク冒険者かよ? デキる男は違うねえ!」
「ええ、頑張りました。 ありがとうございます」
彼の横についていた秘書の女性も笑いかけてくる。
「本当にスゴいことですよ、そもそもAランクのダンジョンは並大抵のパーティーでは攻略も困難ですから」
――ふふふ、そう、これだ! これっ、これなのだッッッッ!!!
Sランク冒険者となれば皆が俺を持ち上げ敬う。
これこそが冒険者の醍醐味ィッッ!!
ああ、みたされていく......俺の承認欲求が!!
「いえ、パーティーの皆が優秀なおかげで。 本当にパーティーメンバーに恵まれました。 彼らには感謝しかないですね」
ま、あいつらは俺が指示出さねえと何もできないポンコツ共だけどな。三人共、しっかりと俺に感謝したまえよ。
「しかし、それほど強いパーティーなんだ。 いずれ勇者パーティーと合同でSランクダンジョン攻略や魔王幹部掃討作戦にも抜擢されそうだねえ......もしや君のパーティーだけでアンデッドテラーも倒せてしまったりして?」
「はは、倒せるように頑張って努力します。 ......すみません、城門前にパーティーメンバーを待たせておりますのでこれで」
「む、おお、すまない。 では、またな」
「はい」
......クソジジイが。アンデッドテラーなんてやれるわけねえだろ。一番討伐しやすい人型ですら上級聖騎士を十人あつめてやっと討伐できるかどうかだぞ。
スライム型になんて相手すれば俺のパーティーなんて五秒で挽き肉にされる。出がわからない変則的な攻撃、その見た目からはわからない攻撃速度、どれをとっても化物クラスなのによ。
てか、実際、勇者ですらパーティーで狩らねーとってレベルなんだが。あのジジイボケたか?
と、あんな老いぼれに構ってる場合じゃない。
城を出ると先に出ていたメンバーの四人が出迎えた。
「おい、おせーぞ~、腹減った」
「お帰り~」
「......おかえり」
「お帰りなさい!」
「うん、ただいま。 すまない、大臣と世間話を少ししていて......それじゃあ昼食へ行こうか」
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