四情同士の戦闘〜前編〜
〜ブラン=レイの空間〜
僕達は会議の後にお互いの今の実力を見る為に、一度戦う事になり、僕の前に創った空間に移動した。
と言うのも、僕の持っている16個の能力の一個は因幡と同じ様な“空間創造”の能力なのだ。僕はその能力で様々な空間を創って来た。
今回僕達が移動したのは、何も無い広々とした真っ白な空間だ。
そんな訳で僕の空間にて、僕達はお互いに向き合い、僕は神器の鎌“リタ”を、光司は拳を、叉吉は一本の剣を構える。狭霧は武器を持って無いし、結構能力頼りな所があり、構えないのだ。
そして、因幡は僕達の間に立ち、
「準備はできた?」
「うん」
「いつでも良いわよ」
「オレも良いよ」
「ああ」
「了解......。では、始め!」
因幡はそう言いながら、勢いよく右腕を振り下ろした。
その瞬間、僕達の戦闘が始まった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
先手を切ったのは光司だった。
彼はその場で右腕を勢いよく突き出した。すると、広範囲で高威力の衝撃波が放たれる。
どの位広範囲かと言うと、なんと最大で全方向に1、5km離れてても当たる位だ。
僕と狭霧はそれを自分の周りに魔力でバリアを張って守り、叉吉はこの空間の壁を蹴ったりしながら躱したりしている。
それから、彼のいる所の地面を見て見れば、その威力に耐え切れず抉れてしまっていた。
“γ”
この技は一発の魔弾が敵の近くに行くと、周囲に大量のレーザーを放つモノだ。
それを僕は光司の方に放ってから、リタを握り直してから、様子を見る。
すると、狭霧が上から飛んで僕に拳を振り下ろして、僕はそれを地面を蹴って、上に飛んで躱す。僕のいた所は彼女の能力により溶解した。
「......くっ」
それで躱せたと思ったら、叉吉の剣が後ろから迫る。
「まずは、一人」
______はぁ......この程度でやられるなら四情の名折れだね。
そんな事を思いながら、蝙蝠の様な二枚の翼を展開して更に上に飛んで躱す。
「......チッ」
“重力地帯”
狭霧が使用その魔法で彼女のいる半径300m以内に掛かる重力が二倍程になり、僕達全員の動きが制限される。
そして、僕はその魔法の効果範囲から逃れる為に、自分の左脚で思いっきり空間を蹴り、移動する。でも、重力がいつもより掛かっているせいで動きが遅くなっており、このままでは唯の的になってしまう。それを避ける為に僕はある術を使用する。
“相思相愛”
これは、魔法では無く、僕の持っている能力の内の一つを応用して作ったものだ。それにこの術は、相手に外傷を与えるものでは無く、精神を攻撃すると言うモノだから、見ただけだと、何も起こっていない様に見えるのだ。
と言っても、普通に精神を攻撃すると言う訳では無い。何故なら......
「そこにいたら、危ねぇぞ...?」
光司はそう言って、僕に拳を振り下ろした。それを僕はわざと食った。
「あ、やっちまった......」
「うぐっ......。食らった甲斐が有ったと言うものだね............」
正直言って、かなり痛い。でも、さっき僕の使用した術は、相手から受けた攻撃を相手にも精神ダメージとして、食らわせると言うモノなのだ。しかも、一回攻撃を受けて終わる術では無い。この術は時間制限がある。まぁ、その制限時間は結構短いけど。
それでも、相手からすればかなり厄介なモノだなぁ...と個人的に思っている。だって、この術の発動中に僕に攻撃を当ててしまうと、その攻撃が増幅されて精神ダメージとして自分み返って来てしまうのだ。
______我ながら、かなりエグい術を作ったものだ。
でも、光司に精神ダメージを食らわせたは、良いものの、まだ倒せていない。それに、他の三人は、この術の効力が切れるまでの間はあんまり自分に攻撃を食らわせない様にするだろう。この術はあまり大人数相手に使う様な術では無い。どちらかと言えば、個人戦で使う様な術なのだ。
______どうしよう。この術の効果時間が切れるまでの間に他の三人の戦いに割り込もうかなぁ......。
そんな事を思いながら僕は、戦闘に割り込む準備をする。それに、いざとなった時には、他の術もある。
「うわぁ......これじゃあ、レイの術の効力が切れ無いと攻撃できないなぁ...」
「と言うか、唯今、お互いの力を確認する為にこれ、やってるだけなのにさぁ......。普通使うかなぁ......」
そう、狭霧と叉吉は言う。
______まぁ、普通ならこの術は使わなかっただろう。でも、使えるモノを使わずに負けるのも僕的に嫌だしね。
どうせ負けるなら、使ってから負ける。それが僕なのだ。
こうしてこの四情同士の戦闘は更に加速して行く。
『こうした方がいいんじゃ無い?」などの意見があれば、書いて頂けると嬉しいです。