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過ぎてしまえば面白い

叔母さんから聞いた今昔話

作者: ひとやすみ

叔母さんから、「我が家は~」で始まった昔話を聞いた。

祖父が子供の頃は裕福な家で、村の子達とは違っていたと。

例えば、その頃(百年以上前)の子供達は粗末な着物に裸足でいたけど

祖父はキチンとした着物を着せて貰い、履き物も履いていた。

学校へは“ねえや”が付き添い通っていた。

(ねえやとは専属の子守り?のような感じかなぁ・・・)

成人になると、天皇陛下の近衛隊に所属していた。

(真っ白の隊服を着て白馬に跨がる祖父の写真があった。)

祖父は、一人息子で大切な跡取りだったので、戦争に行かせない為に大金を使い徴兵を免れたとか。


その代わり・・とはまた違うのかもしれないが、飼っていた犬が徴兵された。

優秀だったらしく、伝令として活躍したので犬なのに表彰されたのだそう。

(戦時中、軍用に利用するため飼われていた犬達を集められたと聞いた事がある)


父親の実家の玄関は大きくて分厚い引き戸になっていた。

私が行った時には居なかったけど、昔は祖父の愛馬が居たらしい。

馬が出入りしやすい様に大きな出入口が必要だったのだろう。

記憶の中の祖父は寡黙で怖いイメージしかない。

妹は「くそじじい!」と言って、よく怒られていた。

その祖父と祖母の恋話を聞いたら、当時ではかなり珍しかったと思う大恋愛だった。

祖父の両親は当然、良い家柄のお嬢様との縁談を望んでいたが、祖父は祖母しか望ま無い!祖母と結婚出来ないなら、家を出る!と意思を曲げなかったので、結婚出来たとか。

祖母のために、家紋入りの金と珊瑚の簪のセットを特注し、プレゼントするとかかなり情熱的。

簪は叔母さんが受け継いでいたものを見せて貰ったが、デザインは古いが綺麗だった。

桐箱に入れられて大事にされていたよ。


玄関を出て左側の庭の端に小さな祠があったのだけれど、お稲荷様を祀っていたとか。

叔母さんが言うには昔、家の修繕を頼んだ大工さんが祠に木材を落として御神体の玉を割ってしまったのだけれど、祠は修繕したのに御神体の玉をそのままに放置してしまっていたらしい。

その後悪い事が続き、調べた結果その事が発覚。

他にも井戸を魂抜きせずに埋めてしまった為に井戸にいた竜神様が苦しんでいらっしゃるとのこと。

井戸は改めて魂抜きをし、お稲荷様は京都の伏見稲荷へお帰り頂くことに。

その時の様子を話してくれたのだけど、お稲荷様は格というものがあるらしく、家にいらっしゃったのはかなり格上のお稲荷様だったらしい。

神社では、帰って来られたお稲荷様を御迎えする時、格の違いにより第一の門から第三の門で御迎えするそう。

我が家のお稲荷様はお姫様だったので、第三の門で迎えられた。

門の向こう側で大勢の巫女さん達が正座をし、門が開くのに合わせて「お帰りなさいませ~」と平伏していく。

その様子に叔母さんはかなり驚いたらしいのだが、儀式が終わった後に神主さんから厳しくお小言を言われて恐縮したと言っていました。


私もウン十年も行ってないので今はどうなってるのか知りませんが、地元を離れると疎遠になってしまうものですよね。

まあ、年の離れた従兄弟が跡を継いだので行く事もないかな。



▲ お稲荷様は繁栄のために御迎えするのだけれど、家が繁栄するのに合わせてお社を大きくしたり立派な物にしていかなくてはいけないらしい。

勿論、お掃除やお供え物、感謝の気持ちも忘れずに。

孫子、その先受け継いだ者達がキチンと出来ないのであれば御迎えするべきではないのです。







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