90話 体育祭!?
何とかアスセナの機嫌を取り戻すことができた。……週末もえらく疲れたわね。
私に休みなど与えられることはなく、すぐに月曜日を迎えてしまう。まぁ学校は楽しいからいいんだけどね。
「リリー、おっはよ〜☆」
何だか久しぶりな気がするユーシャとの朝。この笑顔を見ると元気が湧かずにはいられない。
「おはようユーシャ。疲れはとれた?」
「う〜ん……土日は走り回ってたからとれてないかも!」
何してたのよ一体……。というツッコミはしないであげる。ユーシャのことだからたぶん困っている人を探しながらランニングとかしていたんだと思う。うんうん、きっとそう。
「でも元気だから安心して☆」
「そう。良かった」
ユーシャが元気じゃないとパーティみんなが暗くなる気がするものね。
教室に着くと、嫌にざわざわしていた。何だろう……と思ったら前面ホワイトボードに大きく文字が書かれている。『体育祭』と。
「ねぇリリー! 何あれ何あれ! 体育祭!?」
「運動会的なあれよね」
魔界でもあったわね。『ドキドキ:悪魔だらけの大魔祭』みたいなやつ。ぶっちぎりで魔王が優勝してたけど。
「おはよ〜っす……って何だこれ」
「おはようござ……体育祭?」
シルディもヒラもホワイトボードにどでかく書かれた文字に興味津々のようだ。まぁこれだけ堂々と書かれていたら気になるのは当然だと思うけどね。気にするなという方が無茶よ。
しばらくホワイトボードを見つめたままでいると先生が入って来た。心なしか少しニヤッとしている気がする。
「おはようございます、みなさん。どうやら結構話題になっているようですね。そう、来週は……金曜に体育祭が開催されます! そのための実習が今週行われることを覚えておくように」
ら、来週体育祭!? そんな急な……って、この学校はいつもそうか。
「ついでに来週は木曜にハーフテストもありますから、お勉強もしっかりやること。いいですね? シルディさん」
「な、なんで名指しなんだよ!?」
当然のように名指しされたシルディ。そうか……もうテストの時期か。早いわね。前回は何とか赤点を逃れたシルディだけど、今回もちゃんと勉強できるかしら……。
「何か質問はありますか?」
質問か……体育祭についていくつか聞いておきたいこともあるけどたぶん実習で明らかにされていくだろうから今は聞くべきじゃないか。おとなしくしていよう。……と思っていたら
「はいはーい。赤点だと結局どうなるの? クォーターテストで赤点を取った生徒には何か特別実習で不利になる要素があったのか?」
赤点候補筆頭のシルディが気になったようで質問した。たしかに赤点を取ったらどうなるのか、それは知りたいところではある。
「そうですね……特別実習での例を言えば、赤点を取った生徒が所属するパーティは確実にリタイアするように力を調整して教員が向かいました。いつかそれくらいのペナルティを受けるものだと思っていてください」
なるほど……先生の力加減が変わるってことね。……ん? 私たちのパーティの前に現れたアルティス学園長は確実に私たちをリタイアさせるくらいの力で来てたけど? 赤点とった人いなかったけど? ……不公平だ。
まぁでも何はともあれ絶対に赤点を取ったらいけないってことはわかったわね。
「そうそう、言い忘れていましたが、今回のテストと体育祭から成績に応じてポイントがつくようになります」
「ポイント?」
「はい。詳しくは言えませんがポイントはたくさん持っておいた方がいいですよ。今はこれくらいしか言えません。では座学の授業に入っていきます」
なんだろポイントって。でも体育祭も頑張らないといけないのは確かみたいね。




