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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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84話 本当の戦い⑤

「ほぉ、今のを相殺しますか」


「感心している余裕はありませんよ! 『ブラック・ウェーブ・シューティング!』」


 黒い衝撃波をアルティス学園長に向けて放射する。これだけで倒せるような楽な相手じゃないのはわかっているけど少し期待している自分がいる。この魔法は私の使える魔法の中でも上位の魔法。これで無傷となれば結構メンタルにくるけど……


「ふぅ……流石に冷や汗をかきましたよ」


 煙の中からアルティス学園長が出てくる。無傷ではないのが唯一の救いね。


「……今ので倒れませんか」


「当然です」


 アルティス学園長は戦闘中とは思えないほど柔らかい表情でにっこりと微笑む。アルチャルの似た美人だから少しドキッとしないこともない。


 さて……私のとっておきの魔法ですらアルティス学園長を倒すには至らなかった。本当に気にくわない。気にくわないけど、この人を倒したいという思いがどんどん膨らんでいく。その気持ちに負けそうだわ。


「……まだ何か隠されているのですか? もうここまでやり合っているんです。いいじゃないですか、見せてくださいよ」


「……何を考えてもバレますね」


 食えない人。この言葉がちょうどぴったり合うわね。

 そういえばだけど私がここで倒れたら私たちのパーティは特別実習敗退・失敗ということになるのよね。今……みんなを背負っているんだ。気にくわないとかそんなこと言ってる場合じゃなかった!


「……いい目をしましたね。来ますか?」


「はい。死なないでくださいね、アルティス学園長」


 私の周囲に浮かぶ暗黒色の小さな立方体を手元に集結させる。この魔法は……魔王のお得意の魔法。悪趣味だから見たくもなかったんだけど、血は争えないというか、私もいつのまにか習得してしまっていた。でも威力は十分。さぁ……ぶっ飛ばすわよ!


「『ネグロ・ディアブロ』」


 手元の立方体たちが動き出す。私の体に残った魔力も吸われていく感覚を覚える。どんどん肥大化していき、暗黒色の魔人となった。


「こ、これは……ちょっとまずいですね」


「アルティス学園長、私の友達を駒といったこと、許しません。悔い改めてください! 行け!『ネグロ・ディアブロ』」


 暗黒色の魔人が腕を振りかぶる。そしてそのまま腕を突き出した。それと同時に目の前が暗転する。凄まじい爆音が鳴り響いた森の中。私は安全姿勢でなんとか衝撃を受け流していた。


「……どうなったの?」


 暗黒色の魔人が殴った方向に木は一本たりとも生え残っていなかった。これ……普通に環境破壊兵器ね。そ、そういえば他の生徒を巻き込んでないかしら……。心配になってきた。


「やれやれ……とんでもない威力ですね」


「あ、アルティス学園長!?」


 ボロボロながらもまだ意識があることに驚愕する。絶対に気絶させられたと思ったのに。


「ふふ、激しい攻撃ながらも貴女の優しさを確かに感じましたよ。本当に優しい方なのですね」


「そ、そんなこと……」


 優しいと言われるとそれなりに嬉しいし照れる。ユーシャに言ってもらえたらきゅんきゅんするかも。


「さて、私はここで手を引きましょう。この勝負、引き分けです」


「……そうですね。私はここで決めきるつもりでした。それをアルティス学園長は耐えた。でも学園長は……」


「はい。今のを防ぐので手一杯で魔力は空です」


 お互いに魔力が欠乏している。色々聞きたいことはあるけど、ここは我慢して引き分けにしておいた方がベターね。


 そのままアルティス学園長は去っていく。みんなはまだ深く眠っているから、夜は私一人で見張る必要があるわね。


「……寂しい」


 やっぱりみんなでいると楽しいな。1人は寂しい。それを強く思った時、失くすのが怖くなった。

 ……これからも魔王の娘であることは隠しておこう。

アスセナ不足のみなさま、もうすぐです……!

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