表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

79/186

79話 特別実習⑩

「みんなで完ぺき……うん、そうだね。そうかも。私、間違ってた。リリーに任せっきりなことを悩んでいたんじゃなくて、自分が全部できていなかったことを悩んでいたんだ。やっと気がつけた……」


「落ち込む必要はないわよ。ユーシャにはユーシャにできることを、私には私ができることをやるの。それは任せっきりじゃなくて……『信頼』なんだと思う」


「信頼……」


 我ながらちょっと臭いことを言っちゃったわね。でもこれは本当に大事なこと。

 私たちがもっと上に行くため、私がもっと活躍するため、最終的に魔族と人間が仲良くなるために必要なことなんだから!


「さ、いつもの元気なユーシャを見せてよ。あと食べ物も探さないとね」


「……うん。うん!!」


 ユーシャにいつも通りの笑顔が戻ってきた。うんうん、やっぱりユーシャの表情は笑顔に限るわね。


 さてと食べ物、食べ物……あ、たぶんこれリンゴだ! これなら食べられるでしょ。5つ持っていきましょうか。


「ユーシャ! リンゴを5個ゲットしたわよ!」


「本当!? 私はキノコを見つけたよ、ほら」


 ユーシャが持っているのは何とも毒々しい真っ赤なキノコ。う、う〜ん……


「ユーシャ、キノコは怖いからやめておきましょう」


「え? じゃあリリースするね」


 よかった確認する前に食べないでくれて。キノコ類は怖いから全スルー安定ね。


「リリー! なんかにんじんっぽい葉っぱ見つけた!」


「本当? 野菜も欲しいわよね」


 茹でたら甘くて美味しいにんじんができるし、取れたら嬉しいかも。

 ユーシャがニコニコで引き抜く。……するとそのにんじんには顔が付いていた。


「ま、[マンドラゴラ!?]」


 やばい!


「ユーシャ、耳を塞いで伏せて!」


「え、え!?」


「ギャオオオオオオオオオオオオオオ!」


 う、うるさ……耳を塞いでこれか。[マンドラゴラ]……噂でしか聞いたことがなかったけどとんでもない魔物ね。引き抜いたら超大声で叫んで何もしないと鼓膜が破れることもあるらしい超怖いやつ。

 とりあえず……


「ユーシャ! 斬っちゃって! コイツは初撃さえ防げば弱いから」


「う、うん! えいっ!」


 ユーシャの剣が[マンドラゴラ]を真っ二つにした。ふぅ、危なかった……。ちゃんと魔物について調べていなかったら2人とも鼓膜が破れたまま余生を過ごすことになっていたわ。いやユーシャの『セイクリッドリカバリー』なら鼓膜も再生できるのかしら。ちょっと気になるわね。やらないけど。


「あ〜びっくりした〜!」


「驚いたわよね。コイツは野菜に擬態して畑とかにも紛れ込むから厄介なのよ」


「ふぅん……リリーって魔物に詳しいんだね」


「えっ!? た、たまたまよ、たまたま! 田舎の農業地帯では常識で知っていただけ」


 ふぅ……なんとか田舎出身の嘘を使って免れることができたわね。この設定にしておいてよかった。何かと便利だわ。


「となりのこれはまた[マンドラゴラ]かな? それともにんじんかな?」


「[マンドラゴラ]は隣で抜かれると呼応して出てくるからきっとそれはにんじんのはずよ。外れの方を引いちゃったのね」


「えへへ……」


 苦笑いしながらユーシャがにんじんを引き抜く。

 昨日は[モンスターベアー]、今日は[マンドラゴラ]。結構強い魔物がウロウロしているのね。こんな森で特別実習をさせるなんて本当に強いパーティを輩出したいらしいわね。そういえばかの学園長……アルティスさんだっけ。何者なんだろう。何かただ者じゃない雰囲気は感じるけど……。


「よし、リリー、そろそろ戻ろうか」


「え? う、うん!」


 今それを考えていたって仕方ないわね。とりあえず今はみんなのところへ帰らないと。


 この後私たちは知ることになる。この特別実習は……2日目の夜からが本番なのだと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ