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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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69話 特別実習が始まる!

「おはようございまーす。ちゃんと荷物、持ってきていますかー?」


 先生が出発の点呼を取る。そう……今日から待ちに待っ……てはいないけど、特別実習が始まるのです。


「先生〜バナナはおやつに入りますか〜?」


「定番のをやりたいのはいいけど出発直前だし遠足ですらないから!」


 シルディが謎ギャグを吐くとは思わなかったわね。まさか本当にリュックサックの中にバナナが入っていたりして……。


「う〜ん! 楽しみだね、特別実習!」


「楽しみ……かなぁ? 流石のポジティブね、ユーシャは」


「わ、私は不安かな……」


 ポジティブなユーシャと、ネガティブなヒラ。足して二で割ったらちょうど良さそうよね。


「アタシはまぁ楽しみ寄りかな。アルチャルは?」


「別に。こなすべきことをやるだけです」


 熱いシルディとクールなアルチャル。ここも足して二で割りたいわね。そうしたら個性が無くなりそうだけど……。


「では出発です! バスに乗り込んでください!」


 先生の指示に従ってバスに乗り込む。ユーシャの隣が良かったけど隣の席にはアルチャルが座ることに。まぁあんまり仲良いとは言えなかったし、この機会に仲良くなろう。


「よろしくね、アルチャル!」


「は、はい! リリー様!」


 ……この歪んだ主従関係的なものはとっとと終わらせたいのよね。様付けはやめてって何度言ってもやめてくれないのがまた厄介なのよ……。


「リリー、アルチャル。お菓子食べるか?」


 後ろの席からグイッとシルディの腕が伸びてきた。本当にお菓子持ってきたんだ。遠足気分なのね。私はリーダーとしてこの特別実習を乗り越えられるか不安で仕方ないってのに。お気楽なものね。


「いただくわ」


 まぁもらうものはもらうけど。楽しむものは楽しんだ方がいいしね。


「じゃあ私も……」


 完全にシルディと打ち解けたみたいで差し出されたお菓子に手を伸ばすアルチャル。素直になった途端に可愛く見えてきた。浮気性なものね、私。気をつけないと。


 バスはどんどん進んでいく。住宅街を抜けて田舎へ、そして森へと入っていった。どんどん周りは暗くなっていく。それに比例して心の中の不安はどんどん増していった。


 森の中にバスが入ると楽しげな遠足ムードから一転、ちょっと怖いよねという雰囲気がバスの中へと浸透していく。


 バスが森に入って約40分。なんか不自然に開けたところがありそこにバスが停まった。


「はい、到着です。ここが今日から2泊3日で特別実習を行う[魔の森]でーす」


 ま、魔の森!? 完全に名前で不穏ってわかるやつじゃん!


「へっ! 何が魔の森だよバカバカしい。楽勝でクリアするぞ!」


「す、すごいねシルディさんは……」


 こんな不気味な森を前にしてなぜかやる気に満ち溢れているシルディを褒めるヒラ。足もガクガクに震えていて見ているだけでかわいそうになってくる。


「安心してヒラ。あなたは1人じゃない。みんなで攻略するのよ?」


「は、はい!」


 よし、あんまり支援の子がガチガチに固まっちゃうと上手く回らなくなるしね。少しでもリラックスしていてもらわないと。

 ユーシャは緊張はしてそうだけど慌てたり怖がっている様子はない。

 アルチャルはいつも通り表情には出さないか。まぁ心配はいらなそうね。


「さて今回は皆さん全員にこのクラッカーを渡します。命の危険を感じたらすぐに鳴らしてください。私たちが向かいますから」


 非常用クラッカーが全員に渡される。全員にってところがこの試験の怖さを物語っている気がする。


「では改めてルールです。基本的には森の中で生き抜けばクリアです。サバイバル力を鍛えるものですからね。各チーム工夫して生き残ってください。では……試験、開始!」


 唐突に始まった! 私たちはこの森へ入っていかないといけない。……よし、やってやろうじゃない! 私たちのパーティで絶対にクリアしてやるわ!

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