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魔王の娘ですが勇者パーティが百合天国だったので裏切ることにしました。  作者: 三色ライト


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52話 テスト前日

 急にしおらしくなったアルチャルを連れてファミレスの席に戻る。すると……


「ご、ごめんなさい……」


 頭も下げず、シルディの目を見ることもなくアルチャルが謝った。謝罪としては0点に近いけれど……まぁいっか。


「シルディ、アルチャルは一応謝ってるから……許してくれる?」


「無理だな。でもまぁ我慢はしてやる。もう余計なことすんなよ?」


 その言葉にもう一度突っかかろうとしたアルチャルだったけど先読みした私が睨んで静止させた。


「さ、お勉強会を再開しましょう。みんなわからないところがあれば遠慮なく言ってね」


「ほぼ全部!」


「よくこのまま帰ろうとできたわね……」


 クォーターテストで範囲が狭いからいいけど……ぶっちゃけ一夜漬けでもなんとかなる量だしね。


「じゃあ私がシルディに付きっ切りで教えておくから、ユーシャとヒラとアルチャルは3人で教え合っていてね」


「うん! 了解☆」


 あぁ……やっと癒しの顔を見ることができたわ。アルチャルも美人なんだけど、好きな人の顔の方が見ていたいもの。


 そこから約3時間くらいはずっと集中して(させて)、解散することに。お昼から集まっていたから夜ご飯はアスセナの手料理を食べられそうね。


「じゃあね、みんな。また明日。シルディ、家に帰っても少しは復習しておくのよ?」


「お、おう……。厳しいな……」


「みんな、また明日ね!」


「また明日……です!」


「……」


 アルチャルからは特に何も言葉は出てこない。今のところ……ぶっちゃけ腫れ物状態。あれだけ熱心にパーティに入れて欲しいって言われたから入れたけど……今のまま実習に移ったら大変なことになりかねないわよね……。テスト後になんとかしないと!


「……ただいま〜」


 もう……考えごとばっかりで嫌になっちゃう。リーダーになったことに不満はないけど……次から次へと問題が発生するのよね。1番の問題であるはずの魔界を裏切りながら勇者学校に通うというのがマシに見えてきたわ……。


「お帰りなさいませ、姫様♪」


 どれだけクタクタになって帰ってきてもアスセナはふんわりと私を迎えてくれる。ありがとう……アスセナ。


「今日はお風呂からいただくわね……疲れちゃった」


「は、はい……最近お疲れのようですが大丈夫ですか?」


「……大丈夫じゃないかも。でも大丈夫なようにするから……」


「姫様……」


 心配してくれるアスセナ。弱い自分をなるべく隠さなくなった私だけど……ここの決意だけは揺らいじゃダメね。絶対にアルチャルのことはなんとかしないと。彼女の考え方を更生させないといけないわ! 幸いユーシャと私には素直に従ってくれる。なんで私に従うのかはわからないけど……。


 そんな考えごとをしていたらついつい長風呂になっていたようで……


「姫様? 大丈夫ですか?」


 心配したアスセナがひょっこり覗きに来た。


「……いや〜ん。えっちぃ〜」


「姫様……力がこもってないですよ……」


 からかいたいのにそんな元気が湧かなかったから中途半端になっちゃったわね。


 お風呂から出てアスセナのご飯を食べる。これで元気をチャージできるわ。


「姫様……大丈夫ですか?」


「うん。アスセナの料理でなんとか元気になったわ。考えなきゃいけないことも多いけど……なんとか頑張るわね」


「はい♪ でも無理しすぎないでくださいね。私は心配です……」


「うん……なんとかやってみるわ。また疲れたらアスセナに抱きつけばいいしね」


「もう……都合のいい抱き枕みたいに言わないでください!」


 ぷくーっと膨れるアスセナ。可愛い。やっぱり癒されるわね。


 さて……明日はテストか……余計なことを考えて眠れなくなるのは避けたいから……もう勉強はせずに寝ましょうか。アルチャルのことは明日の私に任せましょう。うん……それがいいわ。

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