40話 ランキング戦②
「基本フォーメーション!」
「うん!」「おう!」「はい!」
私の叫びに呼応してくれる。フォーメーションはもちろん前からシルディ、ユーシャ、私、ヒラのいつもの並び。
さて相手は……同じく1-1-1-1フォーメーションか。
私たちのパーティで大事なことは最強の矛であるセイクリッド系魔法をいつ使うか。2回までだからね……。ちゃんと私が撃つタイミングを合わせないと。
そう思って相手を観察する。全く相手は動いてこないわね。なら……
「先手必勝! 『バーニング!』」
炎の中級魔法を放つ! これならちょうどいい物差しになるでしょう?
「来るよ!」
「うん! 『シールド』」
私の炎を盾で防御される。中級魔法を完全に防ぎきるか……。今まで動いてこなかったのは盾役に自信があったからね。
「ヒラ、ユーシャに支援を。ユーシャは『セイクリッドジャベリン』の用意をお願い」
「うん!」
「は、はい。『ブースト』」
ヒラの魔法で、ユーシャが強化される。
「シルディはカウンターの対策ね。ユーシャの魔法は少しだけど隙は生まれるから注意しておいて」
「了解! 任せとけ!」
よし、これで準備は整った。おそらく相手はこっちに魔法を大量に使わせてガス欠させてから攻撃をしかけてくるつもり。ならまずその盾役から潰す!
「ユーシャ、お願い!」
「うん! 『セイクリッドジャベリン!』」
ユーシャの身体が白く輝く。ユーシャの手には白く輝く槍が。さぁ……お願い!
「発射!」
とてつもない爆発音とともに『セイクリッドジャベリン』が発射される。
「ひっ! し、『シールド!』」
相手の盾役はとっさに盾を張るけど……ユーシャの最強の魔法にヒラの支援が加わったこれには……
「うわっ!?」
当然耐えられるはずもなく吹き飛んだ。HPが0になったことが空に示され、盾役の子が消える。それどころか後ろにいた子達すら直撃じゃないのにHPは0に。
「……えっ?」
あまりにもアッサリとしすぎた勝利に喜びの声すら出ない。
「えっと……なんかゴメンね?」
静寂の中、唯一ユーシャだけが口を開く。内容は謝罪だけれど。
≪試合終了です。残っている者は至急リタイアゾーンへ行ってください≫
先生のアナウンスが入った。……なんか少し怒っているような……。
次意識が復活したのはリタイアゾーンを踏んだ次の瞬間だった。これで生身に戻ってきたのね。
「……お疲れ様でした。ユーシャさん、シルディさん、ヒラさん、リリーさんのパーティの皆さんには少しお話があります」
「「「「はい」」」」
何だろう……何か嫌な予感がする……。
「あなたたちの戦いを見ていましたが、ユーシャさんの伝説の勇者譲りの魔法での攻略でトーナメントが終わると判断しました。よって特例として、このランキング戦ではセイクリッド系魔法の使用を禁止します!」
「「「「えっー!!!」」」」
そんな……私たちの攻撃の核が無くなるじゃない!
「おいおい、そんなのダメだろ! 不公平だ!」
「これは戦闘ではなく試験、勉強です。皆さんがどうパーティとして攻略するかが鍵となるのにセイクリッド系魔法を1発撃って終わりでは意味がないでしょう。これは決定事項です。破ったら即刻試合を中止し、敗退扱いとなりますからね!」
くっ……まぁでも理解できないことじゃないわね。パーティとしてどう動くかを学ぶのにユーシャの魔法ぶっぱするだけだと何一つとして学べないもの。
「ユーシャ……それで納得できる?」
「うん。仕方ないよ。この魔法は誰かの役に立つための魔法だもん。それが結果的に将来の私たちのためにならないなら……この魔法を封印する!」
ユーシャの目は強かった。……やっぱり真っ直ぐで素敵な子ね。ユーシャは。
「うん。私もユーシャの魔法に頼りすぎない戦い方を考えるわ。だから……一緒に頑張りましょう」
「うん!」
一つ枷はついたけど、私たちは負けない! 負けて……たまるもんか!
明日は更新をお休みさせていただきます




