39話 ランキング戦①
第1試合が始まって約5分。片方のパーティが圧倒して試合は終了した。そのパーティが強いというよりは負けたパーティの連携が甘かったって気がするわね。まるでアシスタントパーティと戦う実習の初日の私たちみたい。メモメモっと。
そんな感じで試合は進行していく。やっぱり第1試合ともなると実力の差がはっきりと出るわね。片方が圧倒するパターンが多いわ。
そしてついに私たちのパーティの出番ね。
「よし、行くわよ! ユーシャ、シルディ、ヒラ!」
「うん!」「おう!」「は、はい!」
第7試合の途中で仮想戦闘空間室へ移動。ここで説明を受けるのよね。
「はい、第8試合目の方々ですね」
相手パーティはすでに集まっていた。見たことがない人たちね。というかまだクラスメイトの名前すら覚えてないのに……他クラスの子の顔なんてもってのほかよね。
「では仮想戦闘空間の使い方について説明します。席は40席ありますが、今日は1〜8番までの席に着席してください。片方のパーティが1〜4まで。もう片方のパーティが5〜8までです。そこでチーム分けを判断するようプログラミングさせていますからね」
……聞けば聞くほど人間ってすごい。ここに魔族の持つ大量の魔力が合わさればもっと繁栄できるわよね。
「仮想戦闘空間での戦闘について注意事項があります。今回痛覚は遮断してあるので痛みはありませんがHPゲージが0になったらリタイア。こちらに意識が戻ってきます。最大HPは100です」
ふむふむ……魔法一撃でどれくらいHPが削れるかはわからないわね。でも今までの7戦を観察していた限りだと大体『ファイア』直撃で20くらいだったかな? という感じ。まぁ撃った人によるからあくまで想定値でしかないけど。
「次に仮想戦闘空間の使い方です。今第7試合目が行われているので見えると思いますが、あの大きなヘルメットを被ってもらいます。そのあと手元にあるスイッチを押してもらえば戦闘空間まで意識が引っ張られますからね。もし気持ちが悪くなったりしたら仮想空間の中でリタイアゾーンという赤い境界があるので、そこを超えてください。以上で説明を終わります」
完全に理解した私とユーシャとヒラ。なんか怪しいシルディ。大丈夫かしら……
「シルディ、ちゃんとわかった?」
「お、おう! あんまバカにすんなよ!」
「……本当に?」
グイッと顔で詰め寄ると顔をほんのり赤くして目をそらすシルディ。大丈夫かな……。
「あ、第7試合が終わったみたいだよ!」
ユーシャの言葉に反応して目線をシルディから仮想戦闘空間室へ。本当だ。みんなヘルメットを脱いでる。
「よし、みんな……よく聞いて。これは私たちのパーティの第一歩目になるわ! 今までやってきたことを出し切れたら優勝だって不可能じゃないって思ってる。みんなもそうでしょ?」
私の言葉にみんな首を縦に振る。
「じゃあ行きましょうか。私たちが目指すのは優勝。そのためにまずこの一回戦、勝ちに行くわよ!」
「「「おー!!!」」」
頼もしい叫びとともに着席。私が1番、ユーシャが2番、シルディが3番、ヒラが4番の席へ。ヘルメットをつけて……少しみんなの方を見渡す。特に、意中のユーシャの方を。ユーシャは早速仮想空間に行ったみたいね。せっかちなんだから。
じゃあ……私も行きましょうか。スイッチ、オン!
身体が引っ張られる感覚を覚える。どこにというより、四方八方から引っ張られる感じ。少しだけ気持ち悪さもあるけど、慣れればどうってことはない。
引っ張られる感じがなくなり、足元に地面を感じた。……到着ね。そっと目を開けると面白みのない真っ白な空間が広がっている。直線上には、相手が4人。
「さぁ……行くわよ!」
戦いが、始まる!




