35話 みんなで我が家へ③
「お昼ご飯どうぞ♪」
「うわっ! 美味そー!」
シルディが大興奮するほど、確かに美味しそうな料理をアスセナが運んできた。鮭のホイル焼きなんていつのまに覚えたのよ……でも他人の前でいいものを出したいというのはまぁ当然思うわよね。
「「「「いただきます」」」」
「はい、召し上がれ♪」
んっ……! 鮭もきのこも美味しい! バターがいい感じに効いているわね!
「……お料理がお上手なんですねー、アスセナさん」
「……はい♪ リリーちゃんのために作ってますから♪」
ひっ!? またユーシャとアスセナの間に火花が見える……。なんでこの2人はあんまり仲良く無いの!?
「すごく美味しいです。ありがとうございます、アスセナさん」
はぁ……♡ こういうときにヒラの柔らかい性格や言葉遣いが助けになるわね。場の緊張が一気にやわらいで行った気がするわ。
アスセナの極上のお昼ご飯を食べ、会議再開! とりあえず不安材料だった攻撃したら痛い・痛くない問題は解決ね。このパーティ、優しい人が多すぎのよね。いいことだけど。
「あとは……ユーシャのセイクリッド系魔法をどこで使うか、よね」
「幸い1日1試合だろ? 何とかなるんじゃね?」
8パーティ×4クラスで32パーティ。トーナメントでは優勝までに5回戦うことになる。来週いっぱいを使うなら確かに1日1試合だからそこで2回使ってしまえばいいんだけど……。
「使い所も大事よね。攻撃でなのか、防御でなのか判断が難しいわ」
「一応攻撃1回、防御1回で想定しておいたらいいんじゃないかな?」
……そうね、ユーシャの案が1番無難かも。
「あとは相手の陣形にもよるわね。私たちは運良くバランスの取れたパーティになっているけど、もしかしたら全員攻撃パーティがあるかもしれない。そうなったら臨機応変にユーシャも盾役に回って、攻撃を私が担うことにすればいいわね?」
「そ、そうだね!」
「よくそんな頭回るよな。よっ、流石リーダー」
「……茶化さないの。ユーシャには臨機応変に対応してもらうことになるわ。頼める?」
「もっちろん! リリーの判断を信じて戦うよ!」
そう真っ直ぐ言われるとちょっと恥ずかしいわね。
その後は相手がみんな盾役だった時や私たちのようにバランスの取れたパーティだった時のことも話し合って、気がつけばもう日が沈みそうになっていた。
「じゃあそろそろ解散にしましょうか。明後日、まずは初戦、頑張りましょうね!」
「うん! 勝とう!」
「当然だぜ!」
「が、頑張ります!」
みんないい表情ね。せっかく参加するなら優勝目指して頑張る……私はみんなを導くんだ!
みんなを見送って家の中へ戻る。
「ふぅ。疲れたわね」
「姫様、お疲れ様でした♪」
「ありがとねアスセナ。完ぺきだったわよ」
なでなでしてあげましょう。
「えへ……えへへ……嬉しいですぅ〜」
なんだかトロけそうなアスセナ。そんなになでなでが気持ちいいのかしら?
「みんなを率いる姫様、すっごくかっこよかったです! 流石姫様です!」
「そう? 私としてはいっぱいいっぱいなんだけど……」
そう言うとアスセナは首を横にブンブンと振る。
「いえいえ! 姫様はかっこよかったです! このアスセナ、惚れ惚れしちゃいました♡」
「あら嬉しいわね。ぎゅーもしてあげるわ」
「えへへ……で、姫様……」
「ん、ん?」
なんか声色が一瞬で変わったんだけど……
「あのユーシャってピンク色の女の人、誰ですか?」
「誰って……同じパーティの子だけど」
もしかして……私がユーシャのことが好きってバレた!?
「へー……そうですか。へー」
な、なんかアスセナが怖い……ユーシャと同じベクトルで怖い……。そんなアスセナも3秒くらいの間をあけて……
「夜ご飯にいたしましょうか!」
いつものアスセナに戻った。……何なのよこの子たちは。
明日の更新はお休みです。




