33話 みんなで我が家へ①
んん……いい朝ね。1人で抱えていた秘密を打ち明けてスッキリと眠れたから、いつもより寝覚めが良いわ。
「おはよう、アスセナ」
「おはようございます姫様、なんだかお目々がパッチリですね♪」
アスセナにも寝つきが良かったのがわかるみたいね。さ、朝ごはんを食べて、みんなをお迎えに行きましょうか。
「じゃあちょっと行ってくるわね」
「はい♪ お待ちしています」
「そういえば5人分の食品はあるの?」
いつのまにか買いだめしているのかしら?
「金曜日は買いだめするようにしているんです。その……週末は姫様とずっと一緒にいたいですから♪」
「そうなんだ……ありがとう、アスセナ。それと、皆の前では私のこと、なんて呼ぶんだっけ?」
この前教えたはずだけど大丈夫かな……。
「大丈夫ですよ、リリーちゃん♪」
うっ……何今の。ギャップ萌え的なやつ?
あんなに「リリーちゃん」って言うのができなかったのに、いつのまにか完ぺきに言えるようになってるじゃない。もしかしたら私が学校に行っている間に練習をしていてくらたのかも……?
「OKよアスセナ。じゃあ行ってくるわね」
「行ってらっしゃいませ♪」
……なんかアスセナって完ぺきだなぁ。昨日打ち明けた時もそうだったけど、なんか……ママみたいな包容力があるし、優しいし、可愛いし、そこそこ強いし。いいお嫁さんになれそうよね。
そんなことを考えながら学校に向かって歩くと途中でユーシャを発見。……なんだか気合の入った衣装と思ったらそうか、先週買った服じゃん! やっぱりレースが入ってて大人っぽいわよね。
「ユーシャ、おはよう」
「あっ、リリー! おっはよー!」
朝から元気いっぱいのユーシャ。笑顔が朝日に輝いているわね。
「今日はよろしくね!」
「うん。みんなが来るのを私も同居人も楽しみにしているわよ」
「……ふぅ〜ん」
……あれ? なんでそこでテンションが下がるの!? 最近時々だけどユーシャが怖い……。
ちょっとした気まずさを感じつつ、学校の正門前へ。もうヒラはいるわね。流石だわ。
「おはよう、ヒラ」
「おっはよー!」
「おっ、おはよう。リリーちゃん、ユーシャちゃん」
さてシルディはちゃんと間に合うのかしら……と思って待っていたら集合時間の5分後にシルディが到着した。
「いや〜悪い悪い。途中で大きな荷物を抱えたお婆さんがいてな、持って歩いてあげたら遅れちまったよ」
完全に目線がおぼつかない。……嘘ね。
「おおー! 偉いよシルディ!」
「すごい……! 立派です!」
……これ私が「はい嘘ー!」って言ったら私が悪者になるやつじゃない? ……乗るしかないか。
「や、やるじゃない、シルディ」
まぁ5分くらいの遅れでわざわざ咎めることも無いから良いんだけどね。
「さ、私の家に行きましょうか。……言っておくけど本当にボロボロだからね?」
「大丈夫だって! どんなところでも住めば都だよ!」
「お、趣があって良いと思います」
「ボロくても自信持てよ。な?」
三者三様の励まし方をしてくれる。何気ない会話だけど仲間っていいわね。
「そーいえば同居人さんはなんていうお名前なの?」
「アスセナっていうの。一応獣人族になるのかな?」
魔界だけでなく人間界にも獣人がいるから助かったわね。もし獣人がいなかったらアスセナの角で魔族とバレちゃったでしょうし。
「毎日お弁当作ってくれてるんだろ? なんか恋人みたいだな」
「そ、そんなんじゃないわよ……」
「そんなんじゃないよね? 友達なんだもんね?」
ユーシャがぐいぐい来る……。何? どうしたの? あっ……顔近い♡
「う、うん。友達よ」
そんな会話をしているうちに到着。さぁ、来週からのランキング戦についての会議、頑張るわよ! アスセナも私もボロを出さないように気をつけないと!




