30話 コネクト
「1日2回しかって……えぇ!?」
二度驚く。そりゃそうよ! ウチのエースなのにそんな制限付きだっただなんて!
「言ってなかったか。ゴメンね!」
パンッと勢いよく手を合わして謝罪するユーシャ。いや別にユーシャが悪いわけじゃないからいいんだけど……。
「もう今日は使えないってことよね?」
「う、うん。そうなるね……」
これは……まだ40分以上あるのに痛すぎる戦力ダウンね。
「普通の魔法は使えるの?」
「うん。『ファイア』とか『サンダー』とかなら使えるよ」
下級魔法ならまだ使えるってことか。まぁユーシャのセイクリッド系魔法は反則すぎるし、これくらいの制限があって当然よね。
「ゴメンね……私がもっと優秀だったら1日何回でも使えたんだろうけど、まだ2回で……」
「落ち込むことなんてないわよ! 2回も使えるだけユーシャはすごいわ!」
「そうだぞユーシャ。誇っていいんだぞ〜」
シルディがユーシャを脇に抱えて頭をワシワシする。くっ……そのポジション、羨ましい!
「ユーシャさん、自信を持ってください! 少なくとも私なんかよりずっとスゴいですから……」
自虐気味にヒラがユーシャを褒める。ヒラもサポート力を考えたらかなり凄いと思うんだけどね、どうも自分に自信がないみたいね。
「……みんな、ありがとう! よっ〜し! 私、もっともっと凄い勇者になって1日に何回でもセイクリッドしちゃうよ☆」
いつもの明るいユーシャに戻った。うんうん、そっちの方が可愛いし好き……ってもう、何恥ずかしいこと考えてんの!
「じゃ、じゃあ警戒しながら進んでいくわよ!」
「「「おー!」」」
普通の魔法は撃てる以上、フォーメーションに変更は加えない。でも正直いざとなったらセイクリッド系魔法頼りにするつもりだったから、今後は私も魔法攻撃に加わることも考えて動かないとね。
実習開始から30分。たぶんだけど半分くらいのパーティがクラッカーで脱落した。あれだけ強い魔物がいたらそりゃそうなるわよね。
幸いここまでメタルスパイダー以外の魔物には出会っていない。このまま時間が過ぎれば……
「シャアァッ!」
……そんなことを考えているから魔物が出てくるのよね。今のは完全に私のせいだわ。フラグってやつが立っちゃってたわね。
蛇型の魔物で色は緑……グリーンスネークか! 結構な毒性を持つから危険なのよね。
「シルディ、常に盾は全開にしておいてね。ヒラはそれのサポート。毒に注意よ!」
「おう! 『シールド』」「は、はい!『ブースト』」
これで毒液対策にはなる。あとは攻撃面をどうにかしないと。グリーンスネークは耐性の強い木の根っこを体に巻きつけている。要するに……硬いの。安い剣じゃまったく斬れないほどの皮膚を持っているから、私とユーシャの2人で魔法を撃たないと討伐はできない。
「ユーシャ、同時に魔法を撃ちましょ?」
「わかった! 3・2・1……」
「「『ファイアー!』」」
同時に炎を放出する……ように見えたけど少しタイミングがズレたか! これだと……
「シャアッ!」
やっぱり……効いていないみたいね。
「……ユーシャ、ちゃんと息を合わせて行きましょ。ユーシャを、信じるから」
「わかった! 私もリリーを120%信じるよ!」
呼吸を合わせる。それから、私の右手とユーシャの左手を繋ぐ。
「「3・2・1」」
同時にカウントダウン。さぁ……行くわよ!
「「『ファイアー!!!』」」
炎が2つ放出される。それが途中で重なり……『ツインファイア』になる! いけぇ!
「ジャアァッ!?」
グリーンスネークは断末魔をあげる。よしっ!
「やったねリリー♪ 息ぴったしだったじゃん!」
「そうね。今のすっごくよかった。これからも使って行きましょう」
ユーシャと手を繋ぐこともできたしね♪ 役得ってやつかな?
明日の更新はお休みします。ごめんなさい!




