29話 弱点発覚!?
ゴ○ブリとの戦闘から一夜明け、学校の時間が始まる。いつも通り座学の授業を受けて、お昼ご飯を急ぎ目に食べたら実習の時間。慣れてくると生活のリズムが早く感じるわね。
「さぁて、レベルの高い森だけど頑張ろー!」
ユーシャの元気のいい叫びが目の前の森にこだまする。今日と明日はレベルの高い森に入ってパーティとしての動きを深めていく実習。
「さて、本日から入る森は一昨日の森に比べてかなり強い魔物がいます。身の危険を感じたら迷わずクラッカーを鳴らしてください。アシスタントパーティの方か先生が向かいますからね。それでは……始め!」
ゴクリ……流石にレベルが上がっているとなると緊張するわね。私たちのパーティにはとんでもなく強いユーシャがいるから大丈夫だと思うけど。
「みんな、隊列を組んでいきましょう。シルディ、ユーシャ、私、ヒラのいつもの順番で歩くこと。何か異変に感づいたらすぐに私に教えて」
「うん!」「おう!」「は、はい!」
よし。みんないい表情ね。これなら大丈夫そうだわ。
「よし、出発!」
薄暗い森の中へ! いざ入ってみると肌寒い……なんだか不気味ね。
パァン!!!
「うぇ!? 何々!?」
「……クラッカーか?」
「も、もう?」
「それほど強い魔物に遭遇したってことね」
それにしても早い。まだ開始して3分だというのにもうリタイアだなんて。魔物に出くわしたらマズイかもしれないわね。
「チュルチュル……」
「ハッ! みんな、伏せて!」
銀色の一線が私たちの頬があった高さを横切った。みんな私の声に反応して伏せてくれたからなんとか助かったけど……見つかったか!
「メタルスパイダー……」
銀色の体をした大きな蜘蛛。魔物の中でもそこそこ強いくらいの位置付けになる。
「フォーメーション組んで対応するわよ!」
シルディが前に出て盾を構える。いつでも攻撃して来いという感じね。ユーシャは……言うまでもなくカウンターの用意をしているし、ヒラだって支援魔法の準備をしている。みんな成長している。あとは私がそれを活かして勝利へ導く!
「メタルスパイダーは金属製の糸を吐くから気をつけて! 触れると皮膚が切れるわよ」
よくよく辺りを見回してみるとピカピカと光っている。そうか……運悪くメタルスパイダーの巣の近くを通りかかったのか……。
「チュル!」
また金属製の糸を吐いて攻撃してくる。ピンチだけどカウンターのチャンスでもある!
「シルディ」
「おう。『シールド』」
シルディの拡張した盾で糸は防げた。ヒラも援護してくれているけど長くは保たない。
「ユーシャ。全力で撃っちゃって!」
「了解! 『セイクリッドジャベリン!』」
ユーシャの身体が白く光り輝き、爆発音とともに聖なる槍が放出される。
「チュルチュル!?」
メタルスパイダーは一瞬でそれを脅威と見抜き、金属製の糸を絡めて盾を作った。
「いっけぇ!!!」
ユーシャの放った聖なる槍が銀色の盾にぶつかる。とんでもない威力ね……あの盾くらいなら……と思っていたら予想通り盾にヒビが入り……
「チュュルルル!」
その奥にいるメタルスパイダーを撃ち抜いた。やったぁ!
「やったわね、ユーシャ!」
「うん。でもあんまり手応え無かったなぁ……」
「え?」
まさかそれって……
「チュルル!!!」
なっ! メタルスパイダー……全然元気じゃない! そうか、本体にも糸を絡めて防御力を上げていたのね!
「ヒラ、今度はユーシャに支援を。ユーシャ、もう1発お願い!」
「うん! 『セイクリッドジャベリン!』」
もう一度聖なる槍を放出! ヒラの魔法で強化されているからもう防ぎようがないでしょ?
「チュラァァ!」
完全にメタルスパイダーの真ん中を射抜いた! よし、完全勝利ね。
「やったわ! ありがとうユーシャ。これからもお願いね」
「……あれ? 言ってなかったっけ?」
「……何が?」
え……何この嫌な予感は。
「私のセイクリッド魔法、1日2回までしか使えないんだよねぇ……」
「え……」
えええっ!?




