16話 週末はお出かけ④
「姫様、明日はどこへ行きましょうか?」
アスセナが目を輝かせて聞いてくる。そんなに楽しみなのかしら?
「う〜〜ん……魔月公園で魔物狩りでも行きましょうか?」
「やったーー! 私、明日はお弁当作りますね♪」
魔物狩り……それは聞くところによると人間たちの間では行われていない遊び。人間にも魔界の人々にも害をもたらす指定生物、魔物を退治していくスリリングな遊びなんだけどイマイチ人間には流行らないみたい。不思議ね。私たちにとってはピクニック気分なんだけど。
「じゃあそれも楽しみの1つね。ん〜〜久しぶりの魔物狩り! アスセナも久々?」
「そうですね……前回姫様と行ったっきりです」
それ……7年ぶりとかになるじゃない。
「だ、大丈夫なの? 身体鈍ってない?」
「む……! これでも姫様をお守りできるように鍛えたんですよ! 大丈夫です!」
「へぇ……なら子どもの頃より大きな魔物を狩りに行っても大丈夫ということね?」
「はい! お任せくださいませ♪」
言うじゃない……これだけ言うということはかなりの自信があるということ。これはより明日が楽しみだわ。
「じゃあ今日は早めに寝ましょう。おやすみ、アスセナ」
「はい! おやすみなさい、姫様♪」
ちゅんちゅん……小鳥のさえずり……朝?
「おはようございます。姫様♪」
アスセナがエプロンを着てお弁当に具材を詰めてくれている。妻なの? 可愛い……。
のそのそ居間へ出ていくと朝ごはんを用意してくれていた。こりゃ惚れますわ……。ユーシャがいなかったら結婚してた。
「今日は楽しみですね♪ 姫様!」
「そうね。魔物狩りが楽しみなのもあるけど、アスセナと遊ぶのも久しぶりだから楽しみよ」
私の初めての友達だし。
「さ、行きましょうか。荷物は大丈夫?」
「はい! 忘れ物はありません!」
コソコソと移動する。なぜなら今から飛んで移動するから。入学式の時にやらかしたけど、飛行はここでは高等魔法扱い。あんまり使うところを見られるのは好ましくないわ。
人通りの少ない裏路地のようなところを見つけてようやく飛べそうね。
「さ、行きましょうか。飛べる?」
「もちろんです! ほらほら!」
「よし! 行くわよ!」
目指すは魔月公園。まぁ……わりと人間界と近いところにあるからすぐなんだけど。
うーーんと、人影は無しか。まぁ戦争中だし、当然といえば当然か。みんな魔物より人間を狩っている……。あんまり考えたくないことを考えちゃったわ。
脳を楽しい方へと切り替える。今日はピクニックだもの。
……っと、早速来たわね!
「姫様! ここは私が!」
「いいわよ。譲ってあげる」
やったぁ! とアスセナが前に出る。向かってくるは……牛の魔物。よくいる魔物ね。まぁ7年前でも楽勝に狩れてたし、問題ないでしょう。
「いっきますよ〜! 『フランマ!』」
アスセナの口から火炎が放射される。当然ザコ魔物に耐えられるはずもなく……。
「うん! 楽勝です♪」
Vサインを私に見せてくる。うん、可愛い。
今のアスセナの炎を見てか、ドンドンという足音が響いてくる。そう、この遊びの楽しいところはどんどん魔物が押し寄せてくるスリルを味わえること。それに加えて今日は他の魔物狩りの客は0。つまり貸し切り状態で狩れるということよ!
「私も久しぶりに魔界の魔法を使う気分だわ。まずは……『トゥルエノ!』」
爆雷で敵を一気に殲滅する。子ども時代に比べてサクサクと倒せるから爽快感がupしているわね。その分スリルが減っているのが残念だけど。
ぽんぽん倒しているうちにこの辺りの魔物は狩り尽くしたのか新たな魔物が出てこなくなった。
「ふぅ。楽しかった! お昼にする?」
「そうですね。食べてから第2ラウンドにしましょう♪」
ノリノリのアスセナ。横目で見ていたけど続々と倒していた。可愛い顔してかなり強くなったのね。




