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124話 本気のテスト勉強②

「お昼ご飯の用意ができましたよ〜」


 アスセナがお昼ご飯を作って持ってきてくれた。30分くらい前からいい匂いがしていたから何となくわかっていたけどね。


「わー!! とっても美味しそ〜♪」


 言葉のわりに目がすごく怖いユーシャ。アスセナが作ってくれたハンバーグプレートをその怖い目で見つめている。


「アスセナちゃんは料理が得意なんだね」


「はい♪ “リリーちゃんのため”に“毎日”作っていますので♪」


「ふーん。ふーーーん。そうなんだ〜」


 謎の強調を見せたアスセナと、なんか怖いユーシャ。何でこの2人ってあんまり仲良くないの?


「もぐもぐ……ところでリリー様とアスセナさんは、どういったご関係なのですか?」


 今日アスセナと実質初めましてのアルチャルから質問が飛んできた。散歩の時会ったけど、会話はなかったものね。

 まぁこんなボロ屋に2人で住んでいたら気になるわよ、私だってアルチャルの立場だったら聞いていたわ。


「友達よ。アスセナもこの辺りに用事があって住んでいるの」


「そうなのですか」


「よろしくお願いしますね、アルチャルさん」


「はい! これ美味しいですね」


 アスセナはアルチャルもロックオンしたみたいだけど、アルチャルはスルーというか気が付いていない感じ。私としてはそっちの方がありがたいかな。ユーシャとアスセナの関係は……はっきり言って怖い。


「あー……疲れた」


「右に同じです」


 アルチャルと私とユーシャにみっちり勉強漬けにされたシルディとヒラはご飯を食べ終わるとぐったりと机に伏してしまった。

 私はヒラを教えていたけど、まぁ赤点はないだろうなって印象。

 シルディの方を遠くから見ていた印象だと……今回もまたギリギリかもしれない。


 午後はヒラをユーシャに任せて、シルディには私とアルチャル、2人で教えるべきね。


「さ、食べ終わったことだし、そろそろ再開しましょうか」


「うえ〜、まだ休みてぇよ」


「シルディさん、デザートを用意するので頑張ってください」


 アスセナはシルディを励ますために声をかけてくれた。


「あ……じゃあ頑張っちゃおっかな〜」


「いいの? アスセナ」


「うん。リリーちゃんも、デザート食べたいでしょ?」


「え、えぇ……」


 なぜだろう。私に話しかけているはずなのに目線が私じゃなくてユーシャの方を向いている……。


「わー! 私もデザート食べたいな〜」


「えへへ〜、ではお楽しみにです♪」


 会話を文字起こししたらただの平和で微笑ましいものでしょう。ただ……2人の間に走る稲妻が恐ろしくてたまらない。


 何はともあれ勉強が再開した。ユーシャにヒラを任せ、シルディを私とアルチャルで挟んで教えるシステムに。

 これ、塾だったら結構いいお金取れるわよね。勇者学校が忙しかったり疲れたりしなかったらアルバイトでもすればよかった。


「おー、リリーの解説はわかりやすいな。どっかの誰かさんと違って」


「はー、ヒラの方は覚えが良さそうでいいわね。どこかの誰かさんと違って」


 なんだかこのシルディとアルチャルのやりとり、クセになってきたわ。なんだかんだ言いながらも将来的に結婚しそうよね、この2人。


「はいはい、仲良しはいいから集中しなさい」


「仲良くない!」

「仲良くありません!」


 だからそれが揃うのは仲がいいんだって……。


「みなさーん。プリン作りましたよ〜」


「「「「「おお〜」」」」」


 アスセナの作ってくれたプリンはこれまた絶品だった。勉強すると甘いものが欲しくなるわよね。


「いいよな〜リリーは。アスセナちゃんっていう完璧な奥さんがいてさ〜」


「奥さんだなんてそんな……こともありますけど。チラッ」


「シルディ、からかわないの。でも感謝してるわ」


 その後プリンでやる気を復活させたシルディにみっちりお勉強を叩き込ませ、勉強会が終了する。これで期末テストもバッチリ……よね?

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