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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第2章 そして彼女は動き始める。
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第18話 そして彼女たち三人は集結する。

 

    ◇◇◇◇◇



「まあ、そういうことで、佐藤がこの班に入ることになったから。亮も中野さんも、仲良くしてあげて」


 体育案へと場所を移しての学年集会の最中。


 集会とはいっても、自由に好きな人たちで固まってグループを作るようにと言われているので、座って教師の話を黙って聞く堅苦しいようなものではないが、とにかくその最中。


 俺は佐藤を改めて亮たちに紹介した。


 ついさっき佐藤を連れて班の輪に入ったらかおりに体育館の端っこまで連行されて、どういうことかと問いただされる羽目にあったが、なんとか事情を説明して今に至ったのだ。


「佐藤小春です。よろしくお願いします」

「俺は神木亮。よろしくな」

「私は中野すずだよ。よろしくね、小春」


 友達が少ない俺とは違って対人スキルの高い二人が、にこっと佐藤に微笑む。


 あれ? 中野さんは人見知りって話はどこにいったのかな? 普通に初対面で打ち解けてるんですけど?


「えっと……よろしく、すずちゃん……?」 


 佐藤は「この呼び方でいいのかな?」とでも言いたげに、中野さんの顔を覗き込む。


「やだなぁ、すずでいいよ!」

「分かった。……よろしくね、すず」


 明るくニコッと笑った中野さんの雰囲気が良かったのか、佐藤も嬉しそうに名前を呼んだ。


 ほんと、中野さんのどこが人見知りなのか。今度、彼女は人見知りではないと亮には強く言っておこう。


 こんなんで人見知りって言われたら、世界中人見知りだらけじゃないか。


「っていうか、次期生徒会長候補がこんな形でこの班に集まるとはな」


 自己紹介を済ませたところで話題を変えた亮に言われてみて、俺は初めて気がついた。


「あ……確かに」


 かおりに中野さんに佐藤。それに応援演説をする俺と亮。


 敵という言い方はちょっと違うかもしれないけれど、確かにこれから生徒会長の座を争う三人が集まっていた。


「確かに、っていうか、そうくんが連れてきたんだけどね」


 かおりは、俺が佐藤を連れてきたことにはまだ納得がいっていないらしく、ジト目で俺を見つめている。


「ま……まあそう言わずに、かおりも佐藤とお仲良くしてあげてよ」

「むぅ」

「(かおり、佐藤には余裕を見せておきたいんじゃなかったの?)」

「(それはあくまでも理想だよ、そうくん。嫉妬しちゃうもんはしちゃうの!)」


 駄々をこねる子どものように、かおりはぷくっと可愛らしく頬っぺたを膨らまして地団太を踏んだ。


 まあ俺がもし逆の立場だったらと考えると、かおりの気持ちも分かるんだけど。


 だからといって佐藤を一人で放っておくわけにもいかないじゃないか。


「な……なんかごめんね。私のせいで」


 佐藤が申し訳なさそうに頬をぽりぽりと掻く。


「佐藤のせいじゃ――」

「――佐藤さんのせいじゃないよ! 悪いのは全部そうくんなんだから」

「えー」


 俺が悪かったんかい⁉


「ふふっ、二人とも本当に仲良しなんだね」


 佐藤は俺たちのやり取りを見て、声を出して笑った。


「そうです! 私とそうくんは大の仲良しなのです!」


 調子に乗って胸を張るかおりにはさすがに苦笑いだ。


「まあとにかく修学旅行はよろしく、小春。ただ、選挙じゃ譲る気はないからね!」


 コホン、と咳払いをした中野さんが、口角を少しだけ上げて言う。


「それは私も負けられないよ……すず」

「ちょっと! 私だって負けないんだからね⁉」


 高校生活で一度だけの修学旅行は、騒がしいながらも楽しいものになりそうな、そんな予感がした。


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