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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第2章 そして彼女は動き始める。
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第1話 そして幼馴染の彼女はやってきた。(1) 

すみません、飲み会で更新遅れましたm(_ _)m

     ◇◇◇◇◇



『そっか。良かったじゃん。末永くお幸せに』

『あいよ。サンキュー』


「そうくん、浮気?」

「ちっ、違うよ!」


 夏休みも明け、通常授業が始まったその日の昼休み。


 日向からのメールに返信しているところをかおりに覗きこまれて、俺はうろたえた。


「昨日の今日でそんなわけないだろ? 一応、かおりと付き合うようになったことを報告しといたんだよ」

「ふーん……」


 どうにもかおりは納得してくれてはいないようで、目を細める。


「おいおいお二人さん、付き合って早々ケンカか?」


 そんなかおりを見て、亮が横から話に割って入ってきた。


「そんなんじゃないって」

「そうだよな! 朝っぱらからいちゃいちゃ手つないで教室まで来たくせに、そんなすぐにケンカなんてしないよな!」

「うるせぇよ……」


 あれはかおりが手をはなしてくれなかったからで、俺は学校の前でもうさすがに……と思ってはなそうとしたんだぞ!


 隣を見るとかおりが頬を赤らめて少し俯いている。


 そんな反応するくらいなら最初からしなきゃいいのに。


 付き合ってまだ初日だというのに、こんなんじゃ先が思いやられる。


「人のことばっか好き勝手言いやがって、お前は中野さんとどうなんだよ」

「なっ⁉ なんでそこで急にすずの名前が出てくるんだよ!」


 中野さんの名前が出た途端に面白いくらい慌てる亮。


 そんな騒がしい教室の扉を開けて、担任の木本が入ってきた。


 木本が教卓に両手をついたのと同時にチャイムが響き、俺たちは話をやめて前を向く。


「えー……実は今日からうちのクラスに転校してくる生徒がいる」


 木本はコホン、と咳払いをしてから口を開き、廊下の方に目をやった。


「先生! 転校生が一年に二人も同じクラスに来るっておかしくない?」

「確かに。この間だってうちのクラスに来たばっかなのに」

「……まあ、色々と事情があるんだ。入ってきてくれ」


 当たり前の疑問をぶつけた何人かの女子生徒にお茶を濁して、木本は転校生を教壇に呼ぶ。


「おい、亮……」

「あ? なんだよ」

「前見ろ。前を」

「へ…………?」


 机に突っ伏していた亮は視線を上げて、そして間抜けな顔で言葉を失った。


 無理もない。


「今日から転校してきました――」


 転校生はそんな亮を一瞥して自己紹介を終え、口角を上げる。


「なんで……なんでお前がここにいるんだよ!」

「神木、急にどうした? お前たち知り合いだったのか?」


 唐突に大声で叫びながら立ち上がった亮と転校生に、木本が交互に視線を送る。


 息を切らした亮を見て、してやったりとでも言いたげな表情を浮かべる転校生は紛れもなく、彼のことを好きな幼馴染――中野さんだった。


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