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なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。  作者: 鞘月 帆蝶
第1章 なぜだか隣の家の転校生の好感度が高すぎる。
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第46話 なぜだかお隣さんと海の家でバイトをする。(3)

     ◇◇◇◇◇



「でも水瀬、こんなとこまで二人でバイトに来るくらいなんだし、藤宮とはうまくいってるんだな。安心したよ」


 かおりがトイレに行くと言って席を外した途端、日向はそんなことを言ってきた。


「まあね。昔のことは相変わらず思い出せてないんだけどさ」

「ふーん。……そういえば藤宮が転校する前日に水瀬、藤宮に話すことがあるって言ってたけど。なにか思い出す手掛かりになるかな?」

「うーん……それ自体もぜんぜん記憶にないなぁ」


 そもそもかおりが転校する前日というのもいつ頃だったのか覚えているわけではないし。


「でもかおりと一緒にいると、少しだけ思い出せそうになることがたまにあるんだ。だから、おいおい思い出せればいいかなって思ってるよ」

「そっか」


 なんだか翔くんを置き去りにして二人で話し込んでしまった。


「――そうくん、なんの話してたの?」


 トイレから戻ってきたかおりが、ふいにに後ろから顔を覗き込んでくる。


「かおりの話だよ」

「私の話って気になるんだけどー」

「あっ、そろそろ休憩時間も終わりだぞ。仕事に戻らないと。日向たちはゆっくりしていけよ」

「ちょっと、そうくん!」


 不満層に俺を呼ぶかおりから逃げるようにして、俺は厨房へ向かった。


「日奈さん、どうしたんですか?」


 椅子に座って視線を下げている日奈さんに声をかける。


「おっ、もう休憩終わりか。いや、西日本の方に抜けるって言ってた台風の進路が変わったみたいで、明日は大雨になるだろうってさ」

「えっ? じゃあ明日はお休みになるんですか?」

「んー、一応店は開くけど昼前には雨も降り始めるらしいから、ほとんど仕事はないだろうな。朝から降ってくれれば一日店を畳めるんだけど」


 日奈さんは「稼ぎ時なのにな……」とぼそっと呟くと、立ち上がって焼きそばのストックを作り始めた。


「もうたぶんそんなに客は来ないと思うから、二人とも楽にしてていいぞ」

「分かりました」


 それからは日向やかおりと適当に駄弁りつつ、時々来るお客の相手をした。


 日奈さんが言った通り、閉店までお客はまばらだった。


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